セミリタイア5年目の2023年を総括

『1000円からはじめる!お金の増やし方』(大江英樹)は初心者のために書かれた投資信託の教科書

この記事は約4分で読めます。

投資賢者の心理学』『生命保険の嘘』『定年楽園』など、近年「投資」だけでなく「行動経済学」や「退職者向け指南書」など幅広いジャンルで立て続けに出版している経済ジャーナリスト大江英樹氏の「最新刊」を読みました。

著者によれば、一般の書店ではなく主に「コンビニ」ルートで売り出す初めての本とのこと。(現時点ではファミリーマートとサークルKサンクス)

投資歴四半世紀以上の私にとっては、特に新たな発見と言えるものは正直ありませんでしたが、本の表紙にある「難しいことは一切なし!日本一やさしい投資信託の教科書」の宣伝文句に偽りのない、真に初心者のことを念頭に置いて書かれた本であることは間違いなし。そうした投資に詳しくない人はぜひコンビニで手に取って欲しい本です

なお、本書は著者から直接手渡しでいただきました。改めて御礼申し上げます。

著者が一番伝えたいこと

それは

投資で成功するための最大の秘訣は少ない金額でもいいから、できるだけ早くから始めて実際に体験すること

そして、

それを続けていくこと

本書は全部で4章で構成されていますが、各章ごとに少しピックアップし内容に触れます。

第1章 なぜ貯金じゃいけないの?

<投資の3つのメリット>
1 自助努力で資産形成ができる
2 インフレになったときに対応できる
3 投資に関心を持つと仕事に役立つことがある

このうち3については、あまり他の投資本には書かれていないですが投資で得られるバカにできないメリットです。何を隠そう、私も社会人になってすぐに上司から株式投資を勧められたことがあります。昔は大らかな時代だったからかもしれませんが、そのおかげで「早くから」今に至るまで「長く続けて」投資できています。読者も本書をきっかけに投資を始めれば金銭的なリターンだけでなく、きっと副次的なリターンが得られると思います。

第2章 はじめてみよう! 楽ちん投資

<投資のイメージ、勘違いしてない?>
たまに、投資家の話題がテレビなどで取り上げられた際、部屋の中に複数のモニターディスプレイがあって四六時中株価や為替の動向推移を見極めながら、次々と注文をするシーンが映し出されることがあります。(きっと、専業トレーダーの方だと思います)

でも、投資経験のない貴方がもし「投資」という言葉を聞いて上記の様なイメージを持っているとしたらそれは多数派ではなく、実際には普通の仕事をやりながらあくまで投資は生活の一部として手軽に簡単に始められるものだよ、と未経験者の誤解を解くことから始めています。

著者が言いたいことは、投資の方法は千差万別で、どの方法が一番正しいとか、この方法じゃないとダメとかということではなく、上記の様な体制を必要としない、別の方法があるのだよということを敢えて未経験者・初心者を念頭に説明しているわけです。

<楽ちん投資は「投資信託」がおススメ>
投資する対象には株式や債券などいろいろありますが、これから投資を始めようとする方、特に若い人にとっては投資信託がおススメであり、その理由は以下の3点が挙げられています。
1 手間がかからない
2 少額で積み立てもできる
3 時間を有効に使える

株式の場合、銘柄について調べる時間がかかります。でも、若いうちはそんなことに時間をかけるよりも仕事を一生懸命やったほうがはるかにプラス。それに、それほどお金もない。

投資信託であれば、基本1万円から、中には1000円、500円といった少額で投資することも可能。そして、「積み立て投資」「長期投資」「分散投資」という3つのやり方を行うことで、楽ちんで「極めて合理的な投資」、換言すれば「王道」の投資が可能と言います。

第3章 これだけは知っておこう! 気をつけるべきこと

第1章、第2章で少しだけ「理屈」を学んだら、第3章では実際に投資を始める前に知りたい、どこで口座を開けばいいの?商品選びのポイントは?などの疑問に答える内容となっています。

ここでは以下の項目に目がとまりました。
最初はおおいに一喜一憂してもかまわない
「かまわない」です。普通の本には「一喜一憂するな」と書かれている部分です。間違いではありません。

でも、「一喜一憂」した結果、最初のうちに小さな失敗の「実体験」をしておくことが、将来の大きな失敗を防ぐことができ、ひいては、そうした経験を通じて「目先の上げ下げに一喜一憂する必要はない」ことが実感として理解できると。これはやはり体験しないと分からないでしょうね。経験者は語る(笑)

第4章 著者おススメの金融商品と商品ガイド

これに関しては、読んでのお楽しみということで具体的な中身に触れませんが、おススメ商品のリストは「バランス型」の投信に限定している点に好感が持てました。

これは、昔ならコストが高く勧められる商品が少なかったのですが、今なら著者の言う通り「初心者にとって簡単で且つ論理的に考えて合理的な理由で選べる商品」だと思います。

全部で127ページの薄い本であり、私にとっては1時間程度で読了できましたが、投資本に馴染みのない読者にとっては抵抗感なく手軽に読めるちょうどよい分量でしょう。アマゾンでも販売中です。

I hope you like it.

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この記事を書いた人
エル

50代、4人家族。1991年株式投資を開始。リーマンショックの影響により過去最高の含み損を抱えるも、2009年末に復元。2011年レバレッジ投資(両建て投資)終了。2019年セミリタイア。現在は米国株を中心に運用中。趣味は読書で「積ん読」は数百冊を誇る。音楽や映画鑑賞も好きです。

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