日本株の投資先・ファーストリテイリングの株主総会への参加を主目的として、山口と広島に行ってきました。
株主総会参加までの検討状況
衣料品業界、日本一、世界でも屈指の時価総額を誇るのが、ユニクロを展開するファーストリテイリング。当社の実質的な本部機能は東京の複数の場所に分散してあります。しかし、本社はあくまで発祥の地「山口」にあり、今のところ株主総会についても山口開催が継続されています。
そして、山口といっても新幹線停車駅「新山口」から乗り換えた「本由良」というタクシーの運転手曰く「何もない」駅から、歩いていくには距離がある場所(山口県山口市佐山)に本社はあります。
東京から当日朝に飛行機で行くには、電車が少しでも遅れるとアウトという接続状況だったので、前泊して参加することにしました。
東京から新山口まで新幹線に乗っている時間だけでも4時間以上。時間も費用もかかるので、参加するかどうか逡巡していたところ、妻が「そんなに迷うのなら、私なら参加する」と私の意思決定をサポートしてくれました。
後述する通り、広島にも宿泊(合計2泊)しても、それほど観光も出来ない日程でしたが、オフ会もセットして、いざ、出発となりました。
なお、往復の新幹線はグリーン車を利用しました。
株主総会の会場
山口では、中原中也のゆかりの地でもある「湯田温泉」に宿を取りました。ここから当日、電車で最寄り駅「本由良」経由で行こうとすると、総会開始時刻の10時30分にちょうど良い時間の電車がないのです。やはり田舎。諦めて、ホテルからタクシーで約7500円払って向かいました。
すると、なんと、結局、電車で調べた時と同様、早すぎる時間(約1時間前)に会場に着いてしまいました。「1時間も前から、会場には入れてくれないだろうなぁ」と恐る恐る本社の入り口まで行くと「議決権行使書をお持ちですか?お持ちでしたら見せてください」と言われ、お見せすると「どうぞ、お入りください」と待合室にすんなり案内されました。
社員の方に確認すると、総会への参加者は例年50名程度の少人数(この不便さですから当然)とのこと。私の様に早く着いた数名の株主が待合室におり、社員の方からホットコーヒーを運んでいただき、本を読みながら総会開始時刻が来るのを待ちました。
本社の中を歩いて回ったわけではないのですが、一瞥してそこは手入れの行き届いた緑の中にある「大学のキャンパス」の様な施設でした。ここで社員を集めた研修や会社の重要なイベントなどが開催されていることが想像できる、とても素敵な場所でした。
総会の模様
総会は定刻に開始、30分間で終了しました。
一般的な事業報告等の後、第1号議案(定款一部変更の件)、第2号議案(取締役10名選任の件)、および第3号議案(監査役2名選任の件)について、原案通り異議なく承認されました。
株主の質問は、全部で10弱ありました。以下は主なものです。順序は違っていると思います。内容は意訳されているとお考えください。
Q1 配当性向(現状33%)をもっと上げて欲しい
A1 成長のための投資に資金が必要であり、利益成長に伴い増配しており株主には株価・配当両面で十分報いていると考えており、現時点で配当性向を高めていくことは考えていない(現状維持)。
Q2 当社の様なグローバル企業が、いつまでも地方で総会を開催したり、昨今、他の企業では導入が進んでいる総会のインターネット中継を導入しないのは株主の利便性の観点から如何なものか
Q2 我々は山口という地方の企業。地元を引き続き大切にしたい。また、インターネットを使って、会場にいない株主とやりとりするのは適切なあり方だとは思わない(中継自体は明確に否定せず)。
Q3 東証からも要請のある株式分割について、さらに行う考えはないか?
Q3 弊社株式の流動性などを考慮しながら、適宜検討しているが、2023年3月に1株を3株に分割したところ。現時点では、しばらく様子見のこととしたい。
最後は私が行った質問なので、詳しく、書きます。ユニクロの生産体制について、質問しました。冒頭、(残念ながらずっと持ち続けていたわけではないが)いわゆるフリースブームの前に初めて投資したこと、今回、東京から初めて参加した旨話すと、柳井さんから「ありがとうございます」と感謝の言葉をいただきました。
Q4 数年前までは、当社の収益がグレーターチャイナでの依存度が高く、株主の目から見て懸念を持っていた。しかし、近時は中国以外のアジア、欧米でもビジネスが拡大して安心感を持つことができる様になった。この様に、売上や収益の面では、世界に拡がりが見られるが、一方、生産面については、中国を中心とする6ヵ国で行っていると承知している。今後、生産国をより分散する等の考えがあればその方針を教えていただきたい。
A4 ユニクロの生産は、中国を中心(3〜4割)として、インドネシア、ベトナム、バングラデシュ、インドなどで行っている。この中で、私(柳井)としては、販売・生産の両面で将来的にインドを重要視している。なお、消費地である欧米の近くで生産する考えは持っていない。
株主総会に関しては以上です。参加者は一部は昔の社員など地元の方風の方、スーツを着た運用会社のアナリスト風の方、そして、一部は遠方から来た人で構成されているイメージでした。
観光
山口県の観光地は散在しており、短い時間で効率的に観光することは無理でした。なので、泊まった宿の近くにあった中原中也記念館に行くにとどまりました。
総会後、広島入りして、呉市の大和ミュージアムで、戦艦大和の歴史などをボランティアに解説してもらいました。1/10のスケールの大和や本物の零戦などが展示してありました。
オフ会・食事
広島が地元の方にお店を予約していただき、大変美味しい料理(牡蠣やフグなど)と会話を楽しむことが出来ました。夜は約9000円のコースでしたが、この質と量を東京で楽しもうと思うと、とてもこんなお金では無理です。
大変満足したので、翌日のお昼でも同じ店で天ぷらなどいただきました。
なお、初日の湯田温泉でも、地元の人気店でコース料理を洒落た個室のカウンターで、日本酒の獺祭などを呑みながら、堪能しました。
その他
宿泊したホテル、利用した飲食店は以下の通り
<ホテル>
・お宿Onn湯田温泉
・ANAクラウンプラザホテル広島
<飲食店>
・こ熊や
・板前割烹ひぐち
念願のファーストリテイリングの総会に参加して、直接、柳井正さんとやりとりして、さらに、追加の良い体験も出来て、「エル感激!」(広島が地元の西城秀樹のハウスバーモントカレーのCMのキャッチフレーズ風:古いw)
I hope you like it.