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「最強の10銘柄」が2年連続で不振な今、投資家が考えるべきこと

米国個別株10銘柄で構成する銘柄群で私が「最強の10銘柄」と呼んでいるものがあります。拙著で紹介している他、このブログでも度々取り上げています。

2024年1月から12月までの運用成績

これまで、この10銘柄のポートフォリオ運用を行えば、かなりの確率で主要な米国株市場の指数(S&P500)を全体で凌駕してきました。ところが、2024年は2年連続で「不振」な結果で終わりました。

銘柄 ティッカー 株価騰落率(単位:%)
コストコ COST +39.62
ビザ V +22.32
ユニオン・パシフィック UNP -5.13
チャーチ・アンド・ドワイト CHD +11.96
ホーム・デポ HD +14.99
ユナイテッドヘルス・グループ UNH -2.41
ダナハー DHR -0.34
ロッキード・マーチン LMT +10.03
ナイキ NKE -29.46
マコーミック MKC +13.32
「最強の10銘柄」全体 +7.49
VOO(S&P500) +24.98

(コメント)
・私が普段、米国株の配当やETFの分配金を再投資に回す際、購入しているのがS&P500に連動する投資パフォーマンスを目指すETFのVOOです。このVOOは昨年1年間で、ドルベースで24.98%(前年は+26.32%)の上昇となりました。
・これに対して、「最強の10銘柄」に均等に投資していた場合のパフォーマンスは+7.49%となり、VOOに大きく劣後する状況となっています。
・S&P500と比べて、常に良好な成績を収めているわけではないのですが、私が知る限り、これだけ差をつけられ、2年連続劣後するのは「珍事」です。
・近年の米国株式市場は一部のIT銘柄の上昇などが牽引している「歪な」マーケットだというような表現が言われ始めてから相応の時間が経ちますが、実際には上位銘柄の米国株市場全体に占めるウエイトはむしろ更に高まっているというのが実態です。
・個別にもう少し詳しく見ていくとナイキの不振が特に目立ちます。2022年(マイナス29.04%)、2023年(マイナス6.04%)、2024年(マイナス29.46%)と際立っています。一方、コストコは2023年の+48.97%に続いての大幅上昇。一部アナリストからも「良い会社であることは間違いないが、株価は買われ過ぎ」といったコメントも散見される今日この頃です。

投資家が考えるべきこと

・まず、株式投資家が常に行うべきことは、投資先のことを「よく理解」することです。「株価」の動きを追っかけることではありません。しかし、個別株の下落が続けば心配になるのは、私も痛いほど理解出来ます。そのため、私は日頃から投資先選定においては、自分でその企業のビジネス等が理解しやすい先、日本でも情報が入手しやすい企業を優先することを提言してきました。
・もし、あなたが世界の株式市場において、一握りの米国巨大企業が今後とも衰退することなく強い状態であり続ける、ないしは更にこの状況が強化されると考えるのであれば、VOOやナスダック100に連動するETFのQQQあたりにシフトされると良いでしょう。一方、今年米国株式市場がもし「暴落」という言葉が相応しいほど下落する1年になるとすれば、当該ポートフォリオが今度は本領発揮する局面が到来する可能性がある。というのが私のフラットな見立てになります。
・2度あることは3度ある。起こりそうにないことでも、今年ないとは言えないのがマーケットの難しいところ。ただ「最強の10銘柄」は米国株式市場との相関度が低く、異なる値動きをする銘柄群である(この中で比較的相関が高いのはビザぐらい)ため、S&P500連動等に加えて保有することで「分散効果」があることは強調しておきたいと思います。
・「最強の10銘柄」は過去10年間通算ではS&P500対比でアウトパフォームしており、年次で下回ったのは直近2年以外には2021年(1.62%アンダーパフォーム)の僅か3年しかありません。諦めるか、それとも継続するか?難しい判断だと思いますが、こうしたポートフォリオの過去実績は以前ご紹介したサイトで、誰でもご自身で確認・活用できます。なお、投資判断はくれぐれも自己責任でお願いしますね。
(参考)米国株投資家なら利用したい3つのサイト

I hope you like it.

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