2024年から開始された恒久NISAにおいて、海外株式に投資するインデックスファンドが人気です。
新制度開始前からの累積の特定口座含む残高では、米国株に投資する私のメインファンドのeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の方が大きいですが、直近の月間の資金流入額では、通称「オルカン」と呼ばれるeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)が上回っています。
何も「選ばない」のが人気の理由
これだけオルカンが人気なのは、いろいろな理由があると思います。まず、特定の国(例えば米国)だけに投資するのではなく、世界に分散して投資が可能なことがありますが、実際には世界に満遍なく分散しているイメージには程遠く、約6割が米国株に投資する形になるのが実態です。
それでも、オルカンが人気なのは、遠い将来に米国企業の力が衰えて、例えばインドなどの新興国の企業が台頭する世の中になった場合でも、オルカンに投資していれば、自動的にその動きを捕捉してくれることへの信頼感もあると思います。
そして、一部マニアックな人を除く、大多数の個人投資家にあっては、そうした組入比率がどうだとかを一切気にしたくないので、オルカンを単純に選びました!という人が多いのでしょう。いわば、積極的な選択というよりも消去法的な選択です。
オルカンのリターンを調べると
では、そのオルカンの肝心の投資のリターンはどうなっているでしょうか?
以下は先週末時点の過去5年の基準価額の騰落率を米国株式(S&P500)と比較したものです。
・全世界株式(オール・カントリー)+125.52%
・米国株式(S&P500) +166.08%
両ファンドとも5年で2倍以上になっているので上出来ですが、米国株式だけに投資していた方が40%以上もパフォーマンスが良くなっています。
これ、100万円や1000万円くらいなら、まだその差をそれほど感じないかもしれませんが、仮に5年前に1億円投資していたら、4000万円の差になってしまうのですよ
上記で5年比較としたのは、当該ファンドの歴史がまだ長くないためです。
米国株式は2018/7/3、オルカンは2018/10/31の設定開始となっています。
では、もっと長い期間で、米国株と全世界株を比較してみたいと思います。使用するのはETFです。
米国株は米国株の指数S&P500に連動を目指すETFで最も歴史が長いSPY、全世界に関しては有名なバンガードのVT(オルカンとはベンチマークは少し異なります)です。
この両ETFに関して、最も長く比較できるのは2008(JUL)から2024(FEB)の期間になります。比較のため使用したのは、以下の過去のブログ記事で紹介したportfoliovisualizer.com です。
(参考)米国株投資家なら利用したい3つのサイト
結果は以下の通り。当初1万ドル投資した設定。
Vanguard Total World Stock ETF:30,355ドル(年率:7.34%)
SPDR S&P 500 ETF Trust :53,610ドル(年率:11.31%)
ここでも、大きな差が出ましたね
ちなみに、最近でこそ、オルカンなどの超低コストファンドが誰でも手軽に投資できる素晴らしい世の中になりましたが、私が投資を始めた30年前はもちろんのこと、米国ETFを使って世界株に1本のETFで投資できる様になったのは、2008年(これは日本人に限りません)からなのです。
私の投資方針
私も未来永劫、米国株が調子がいいとか、あらゆる時期において世界株式を凌駕するとは「思っていません」が、少なくともまだ当面の間は米国株優位な展開が続くと考えています。なので、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)を中心とした米国株に資産の多くを投資する現在のポートフォリオを継続します。
なお、オルカンにも投資しますが、理由は以下の考えです。将来的には気が変わるかもしれませんが
(参考)「恒久NISA」は遺産にする
I hope you like it.