本屋で運命の一冊に出会ってしまいました。

永田希 著『積読(ツンドク)こそが完全な読書術である』(ちくま文庫)。
帯に躍る「読まずに積んでよい」という力強いお言葉に背中を押され、「そうか、これは放置ではなく高度な知的生産術なんだ!」と歓喜して購入したのが先日のこと。
……ご察しの通り、帰宅後そのままデスクの上に置かれ、本自体が忠実に「積読」の仲間入りを果たしました。1ページも開かれないまま、静かに熟成される日々。
しかし、真のドラマは数日後に起こります。
仕事帰りに、いつものホームグラウンドである「丸善 丸の内本店」を巡回していたときのこと。 文庫コーナーで、ふと目に飛び込んできた本がありました。
「おお、これは面白そうだ!」
直感的に手に取り、レジへ直行。ホクホク顔で家へと連れて帰りました。
◇
事件が起きたのは、部屋に戻り、買ってきた本をデスクに置いた瞬間です。
デスクの隅には、数日前に買った『積読〜』。 そして今、カバンから取り出したばかりの本。
「……あッ!!!!!」
血の気が引きました。 白地に独特のフォント、ちくま文庫の装丁。どこからどう見ても、数日前に買った本と全く同じに見えたのです。

やってしまった。 いくら本好きとはいえ、1ページも読んでいない本を、同じ本屋(丸善丸の内)で再び買ってしまうとは……! 己の記憶力のなさに強いショックを受け、猛烈な後悔と自己嫌悪が押し寄せてきます。
「まあ…過ぎたことは仕方ない。1冊は大学生の息子にでも『これ面白いぞ』と差し出すか…」
そう自分を慰めつつ、諦め顔で2冊を並べて手に取った、その時です。
……ん?
よく見ると、タイトルが微妙に違うような……?

- 1冊目:『積読こそが完全な読書術である』
- 2冊目:『再読だけが創造的な読書術である』
「ち、違う本だーーーーーっ!!!」
同じ著者(永田希さん)、同じちくま文庫、あまりにもそっくりなデザインとタイトル構成! 「ダブって買ってなかった!」という圧倒的な安堵感が部屋に広がりました。よかった、私の記憶力は狂っていなかったんだ!
……と、ホッとしたのも束の間。 冷たい現実が静かに頭をよぎります。
「いや待て。どっちにしろ、1冊目すら1ページも読んでないぞ?」
そうなんです。 1冊目は「読まずに積まれた完全な読書術」。 2冊目は「1度も読んでいない(初読すらしていない)のに再読を促す創造的な読書術」。
ダブ買いの後悔からは救われたものの、「未読の積読本」の隣に「初読すらしていない再読本」が並ぶという、より高度でカオスな状況が完成してしまいました。
1回も開いていない本を、どうやって「再読」すればいいのか。
とりあえず今夜は、この奇跡の2冊を並べてじっくり眺めながら、美味しいお酒でも飲もうと思います。
みなさんも、丸善丸の内本店での「デジャブのような新刊コーナー」にはくれぐれご注意ください(笑)。

posted with ヨメレバ
永田 希 筑摩書房 2026年05月11日頃
P.S.
3枚目の写真はAIが作成しました。このシーンはありません。
I hope you like it.

