『安倍晋三 回顧録』が2023年に発売された当時は、大きな話題となりました。私もすぐに手に入れ、興味深く読んだことを覚えています。
あれからしばらく経ちますが、その「公式副読本」である『『安倍晋三 回顧録』公式副読本 安倍元首相が語らなかった本当のこと』(中央公論新社ノンフィクション編集部編)のほうは、気づけば発売から2年間ほど、本棚にそのまま積んだ状態になっていました。
「そのうち読もう」と思いつつ後回しになっていたのですが、整理のついでにようやくページを開いてみました。そこで少し意外に感じたのは、『回顧録』自体が退任間もない元首相のインタビューという早い段階で刊行されたものであり、すでに様々な検証や研究の対象として扱われているという点でした。
今回は、2年越しの積読をようやく解消して読んだ、本書の印象について綴ってみたいと思います。
想定以上に「真面目」で手堅い政治検証の記録
ページをめくっていくうちに、本書が事前の予想よりもずっと手堅く、硬派な政治検証の本であることに気づかされます。
『回顧録』が本人の言葉をベースにしているとすれば、本書は政権の内外で動いた当事者や識者たちの視点を通して、その内容を補足・検証していく構成になっています。
単なるファンのための書籍というよりも、当時の政治の動きを多角的に振り返るための資料的な側面が強い一冊です。
本書に登場する主な顔ぶれ
本書には、政治の舞台やその周辺で役割を果たしてきた次のような人物たちの名前や証言が収められています。
- 政権中枢のキーパーソンたち
- 初代国家安全保障局長を務めた 谷内正太郎 氏
- 外交ジャーナリストの 手嶋龍一 氏
- 論客として知られる 橋本五郎 氏
- 政界の主要人物・党内外の視点
- 東京都知事の 小池百合子 氏
- 政治家である 石破茂 氏
- 行政・官僚組織の証言者たち
- 各省庁の動きを知る関係者
こうした人々がそれぞれの立場から当時の状況を振り返っているため、ひとつの視点に偏らない政治のダイナミズムが伝わってきます。
読みどころ:政権の骨格と外交の舞台裏
内容としては、政権中枢のメモとされる「谷内正太郎覚書」に触れられている点や、日中外交・北方領土交渉といった外交面でのやり取りが取り上げられています。
また、当時のさまざまな政治的論点についても一定の紙幅が割かれており、当時の背景を整理して読む上での参考になります。
まとめ
2年間ほど本棚に置いていた本書ですが、ようやく読むことができました。
一通り目を通したことで、原点である『回顧録』の内容についても、また別の角度から読み返してみてもよいかなという気持ちになっています。

『安倍晋三 回顧録』公式副読本 安倍元首相が語らなかった本当のこと
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中央公論新社 ノンフィクション編集部 中央公論新社 2023年08月09日
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