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機関投資家だけが知っている「予想」のいらない株式投資法

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また投資本を読了しました。良書だったので、ご紹介します。

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著者プロフィール

著者の泉田良輔氏は慶應義塾大学を卒業後、日本生命、フィデリティ投信での調査・運用業務を経験後、GFリサーチを起業。機関投資家から離れ、日本で最高の資産運用サービスを確立することを目標に活動されている方です。

本書以外にも複数の著作がありますが、私は『銀行はこれからどうなるのか』(クロスメディア・パブリッシング)を以前読んだことがありました。

本書概要

本書はこれまでプロの機関投資家相手に仕事をしてきた著者が、初心者含む個人投資家が株式投資でつまずく「3つのハードル」を乗り越えるためのツボを解説するものとなっています。

<3つのハードル>
・数多くある上場銘柄から「これぞ!」という銘柄を絞り込めない(スクリーニングの問題)
・興味のある銘柄がよい会社か悪い会社か判断できない(決算・財務指数分析の問題)
・投資したい銘柄をいくらで買って、いくらで売ればよいのかわからない(バリュエーションの問題)

個人的に注目した箇所

機関投資家相手に仕事をしていた頃のエピソードなど

・スターバックスのような「誰でも知っている銘柄」でも、ビジネスモデルが確立していて利益を積み上げていく会社にじっくりと投資できれば、時間の経過とともに株価が何十倍にもなるという事実を目の当たりにすることができた

・フィデリティでの「ボトムアップ・アプローチ」(投資対象企業を調査する手法)において、「何が利益のドライバー(推進力)か」突き詰めるための社内議論が多かった。一方、株価評価(バリュエーション)については意外とあっさりしていた

・『ティリングハストの株式投資の原則』の著者、ジョエル・ティリングハストのフィデリティの社内における評価は「運用年数の長さと実績で見れば、ピーター(リンチ)よりも上だ」と言う人もいる

・リバースエンジニアリングで見つけた銘柄発掘法。将来を予想することよりも、過去に赤字がない、財務体質が良い、ROEが高いなどの過去「分析」に時間をかけるべきとの考えに至った。

・短期売買ではなく、「継続的に利益を生み出し続ける企業を長期で保有する」というアプローチが初心者でも受け入れやすい

歴史に学ぶ

・決算書は少なくとも10年くらい振り返る。株式市場はほぼ10年サイクル。10年程度の決算を確認すれば、景気の山谷を含んでいる可能性が高く、長期的な売上高の成長率、収益の安定性といった定量的な企業の特徴が見えてくる。

・圧倒的に利益率の高い企業にはビジネスモデルに何か秘密があるという仮説を立てる。日本企業の場合、営業利益率が10%を超えると、セクターを問わず投資対象として注目すべき。20%を超えている場合にはなおさら

・リーマンショック時に赤字にならなかった企業群は宝物。トヨタでさえ赤字になった。

・株主資本の複利:例えば、毎年ROE10%を計上できる企業は、配当の影響を除けば、株主資本が毎年10%ずつ増えていく

海外投資家は何を見ているのか

・世界の投資家は株価が3年で2倍になることを期待。その「理屈」はROEにある。ROEが25%の企業が3年続けてその数字を達成すれば、株主資本は約2倍になる。

3年後の株主資本=100×1.25 × 1.25 × 1.25= 195

さらに長期で見ると、10年経つと株主資本は約9倍となる。

株主にとっての株式の本質は、毎期の当期純利益が配当の原資になり、株主資本を積み上げていくこと。上場株式は、その所有権に株価がついたもの

10倍株発生のメカニズム

<ステップ1:商品やサービスのニーズ>
最も重要なのは売上高
<ステップ2:ビジネスモデルの質>
どのように利益を上げるのかの型:強さを測る一つの軸として「営業利益率
営業利益が高いと同時に、評価する十分な時間が経過していることが重要
<ステップ3:スケーラビリティ(拡張性)>
現在のビジネスモデルで事業拡大ができるかどうか
商品やサービスが到達できる市場(TAM:Total Addressable Market)が目指すべき市場として十分に大きいかどうか

10倍株を手にするための3つの条件

・ROEが12%以上の実績がある
・上記のROEの水準以上を今後も複数年にわたって実現できそう
・利益成長を継続することができそう

スクリーニング時の5つのチェックポイント

・リーマンショック時の決算の当期純利益が赤字ではない
・過去5年間、当期純利益が赤字ではない
・ROEが過去3年の平均で12%程度あるか
・過去3年の株主資本比率の平均が50%以上あるか
・5年前よりも直近決算の当期純利益が大きいかどうか

業績予想は「あるものを使う」:会社による業績予想、コンセンサス

その他

・ファンドマネジャーの一番の仕事はリスク管理
・企業価値において、将来の利益やキャッシュフローの占める割合が大きな企業、つまり成長企業のほうが、利益やキャッシュフローが安定した成熟企業よりも金利水準や株式市場のリスク許容度の影響を受けやすいのは、割引率の影響が大きいため
・株主資本複利投資の難しさは、過去のバリュエーションのレンジを飛び越えることもあるという点
・バリュエーションは未来を考えるな!まずは過去を見る
・株式市場の「熱量」を測る
・バフェット投資の根底にあるのは「株主資本複利投資」
・バークシャー・ハサウェイの総資産に占める上場株投資の割合は3割程度にすぎない
・バフェットが大事にしているのは、長期投資で間違いないが、投資で失敗する要因の一つとしてタイミングをあげている:「他人が怖がっているときには貪欲に、他人が貪欲なときにはおそるおそる」

最後に

以上です。いかがですか。

本書には他にもシンプルだけど、株式投資をする上で大切な基本がたくさん詰まっています。そして、本書を読んで感じたこと、それは拙著で私が述べたことと共通することが多いことです。

・「誰でも知っている企業を投資対象として検討すること」
・決算は「過去10年」を確認
・売上と営業利益率に着目

などです。

本書と拙著を両方読むことで、投資のレベルが上がること請け合いです。

I hope you like it.

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投資本
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この記事を書いた人
エル

50代、4人家族。1991年株式投資を開始。リーマンショックの影響により過去最高の含み損を抱えるも、2009年末に復元。2011年レバレッジ投資(両建て投資)終了。2019年セミリタイア。現在は米国株を中心に運用中。趣味は読書で「積ん読」は数百冊を誇る。音楽や映画鑑賞も好きです。

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