ダイヤモンド社から6月末に翻訳本が発売され、話題となっている本書
早速、購入して最速で読了しました。
「ドルコスト平均法」と「ジャスト・キープ・バイイング」は、実質的に同じことを意味している。唯一の違いは、その名称だ。後者にはその名称に、「とにかく買い続ける」という、よりはっきりとした投資哲学、つまり明確な“心理的動機”が込められているといえるだろう。
私たちは、常に暴落の危機に瀕しているような感覚を抱いている。だが、実際には、大規模な暴落は稀にしか起こらない。分割投資が歴史を通じてほぼ常に即一括投資を下回っているのはこのためである。
本書は大きく前半の「貯金力アップ篇」と後半の「投資力アップ篇」に分かれます。
率直に言って、私には前半には特記事項はほぼありませんでした。また、事前の期待は高かったのですが、これまで「たくさん」の本を読んできた「私」には、驚くほどの様な発見はありませんでした。
そのため、主に後半の部中心に本書を読んだ中で私が「結論」として得た大事な点をメモしておきます。
メモ(表現は変えてある)
・生涯を通じて収入は一定ではないのだから、収入が一定であることを前提とした貯金のルールを絶対的なものとするべきではない
・あなたはすでに貯金しすぎている可能性がある
・米国における実質住宅収益率に貢献したのは、ほとんどが2000年以降に生じたもの
・ファイナンスの世界でいつリタイアできるかは「最も厄介で難しい問題」
・いわゆる「4%ルール」は相当盤石。一般的に「年間支出」の25倍=リタイアが可能となる資産とすることが多いが、公的年金などを年間支出から控除した「年間超過支出」をベースにすると、必要な資産額は減る。また、このルールは退職者の支出額が常に一定であることを前提としているが、実際には年齢が上がるにつれて減っていく
・ドイツのビスマルクが世界で最初に開始したリタイアプログラム。ドイツの最初の定年は当初70歳だったが、1916年に65歳に引き下げられた
・「株はよく食べるため、債券はよく眠るために買え」
・「1926年以来、米国株式市場全体を実質的に牽引してきたのは、最も業績のよい4%の上場企業にすぎない」
・子供の死亡率は単に子供の健康状態だけでなく、社会全体の質を測る指標
・生まれ年は投資結果に影響。ただし、期間を30年間に広げると、年率リターンの差ははるかに小さくなる
・「過去を無視すれば片目を失う。過去に生きれば両目を失う」(フリードリヒ・ニーチェ)
・「人は、大量かつ明確な歴史的なデータより、恐怖に突き動かされて投資をしている」(ジェレミー・シーゲル)
・1963年以降の米国の個別銘柄の1年リターンの中央値は6.6%(配当込)、インデックスファンドのS&P500の場合には9.9%
・2019年の米国で上位1%の金持ちでいるためには、1110万ドルの純資産が必要
・個人の収入が最も急速に増加するのは、仕事を始めてから最初の10年間
参考図書
・『最底辺のポートフォリオー1日2ドルで暮らすということ』
・『退職して幸せになるためのコツ』
・『誰もが嘘をついているービッグデータ分析が暴く人言のヤバい本性』
・『ヒューマン・ネットワークー人づきあいの経済学』
・『ハピネス・カーブー人生は50代で必ず好転する』
最後に一言引用して終えることとします。
お金を増やした成果を生きているうちに楽しめないなら、何のために投資をしているのだろうか?
I hope you like it.