ペンネーム「東山一悟」で、投資ブロガー仲間の「夢見る父さん」さんが、初の書籍を出版されました。
ブログだけでなく、表(本名)の姿もお互い知る関係なので、本を準備していることは、かねてより聞いていました。今回、有り難くも献本していただいたので、簡単ですが、読んだ感想をブログ読者に共有したいと思います。
文字ばかり
まず、最後まで読み終えての感想は「あれ?図表が殆どない。」ことでした。もちろん、ビギナー向けの本でよくある漫画などありません。改めて、ページをめくって確認すると、著者が行った寄付に対して天皇陛下から紺綬褒章を受けた際の表彰状の写真と投資信託の積立投資の箇所で出てくる図のみでした。
これは、何か意図があってかどうかは定かではありませんが、今どきの投資本では珍しい「硬派」な体裁の本です。
大変読みやすい
上記の通り「文字だらけ」というと、一見読みにくいと思うかも知れませんが、さにあらず。著者はメディア企業での記者経験を有する方ですが、さすがの文章力です。冗長な余計な表現を入れず、それでいて、しっかりと「中身」が詰まった内容に仕上がっており、とても読みやすくてスラスラと一気に読めました。
だから、終わってから、図表などを使っていないことに余計、びっくりしたというわけです。
引用・根拠がしっかり
そして、本書を読み進めていると、すぐに気づくのが、投資に関する説明について、経済データや参考図書の引用などが「意識的」になされているということです。
これは、元記者ならではだと感じました。決して、著者独りよがりの「感覚」でものを言っているんではないゾーという、著者のこだわりを私は感じました。
結果的に、本書の説明内容に「説得力」をもたらしています。
幅広い目配り
さらに私がハッキリ感じたのが、ビギナー向け(15歳の娘でもわかる)でありながら、幅広い投資家が知っておくべき事項が、かなり網羅的にカバーされているということ。逆に言えば、もし、本書を読んで知らないことが多いとすれば、貴方は「まだまだ」知識不足だということです。
私は投資歴30年以上、自分で言うのもなんですが、投資本に限らず、相当本を読んできたので、そのあたりがよくわかります。
まとめ
最後に全体の印象ではなく本の中身にも触れたいと思います。
(参考)出版社プレスリリース
1991年、筑波大学を出てメディア企業に入社。30年近く勤めた会社から「戦力外通知」を受け、リストラ対象になったシーンから本書は始まります。
基本的には、著者の投資遍歴(一人の投資家のケース)を通して、失敗経験も含めたリアル(生々しい資産額・損益なども披露されています)を感じながら、投資の常識については、古典と言える様な本の主張・考え方などが「簡潔」にまとめられており、その結論は納得感が高いものでした。そして、著者の考え方の多くは私とも近いものを感じました。
私とは誕生年、就職した年、退職した年、さらには資産額に至るまで似通っていますが、でも、ここまでの「道のり」はかなり違います。私が未経験の介護経験も有しています。
最近の著者は、人生の後半をいかに「思い出」を作るかを意識して生活している様ですが、同年代の私も著者の姿を参考にしながら、これからの人生を有意義に過ごしていきたいと思います。
50代のFIREのリアルの参考書としても読めると思います。
一言ではいえば「良書」。決して読んで損はしない一冊です。本日、発売日です。
I hope you like it.