私の数少ない投資信託の投資先である「おおぶね」の運用責任者である奥野さんが買いた本が発売されたので、早速購入し即日読み終わりました。
これまでたくさんの本を書かれていますが、初の単著だそうで、ご本人も「これは、売れて欲しい!」と言っている本です。
既に、複数のブロガーが良質な書評を書いているので、これもご参考にしながら、ご覧ください。
(参考ブログ)
・”ビジネスエリートになるための教養としての投資(著・奥野一成さん)”は、「学割」を付けるべき「武器」だ!(rennyさん)
・奥野一成『ビジネスエリートになるための教養としての投資』を読む。(ろくすけさん)
・ビジネスエリートになるための 教養としての投資(奥野一成・著)【読了メモ】(Shimoyamaさん)
著者プロフィール
まず最初に、著者のプロフィールについて、簡単にご紹介しておきます。
・1992年京都大学法学部卒業、ロンドンビジネススクール・ファイナンス学修士(Master in Finance)修了
・1992年日本長期信用銀行入行。銀行系証券会社第一陣として1993年設立された長銀証券に、入社2年目に自ら上司に願い出て出向
・長銀が経営破綻したことに伴い、長銀証券がUBSウォーバーグ証券に買い取られる。同証券在籍中に、自費留学を叶えるため空席(日本人1名)のできたロンドンに派遣してもらい、日中は債券の売買、夜間はビジネススクールでひたすら勉強。見事に2年間で修士号を取得して東京に戻る。(この時、ウォーレン・バフェットの素晴らしさに気づく)
・2003年、長銀から転職していた先輩の誘いで、農林中央金庫に就職。世界で10本の指に入る規模を誇るオルタナティブ投資を経験
・2007年、自らの提案で「長期厳選型自己運用ファンド」を開始。2014年から農林中金バリューインベストメンツ株式会社 常務取締役兼最高投資責任者(CIO)を務める。
本書概要
・日本の中でも数少ない「真の」長期投資を実践するファンドマネジャーが、人生100年時代を生き抜くために身につけるべき「投資家の思想」を説いた本です。
・これからの時代、誰もが「労働者」だけでなく「投資家」のマインドセットを持つことが絶対的に必要であり、投資について学ぶことがビジネスに活かされ、また、ビジネスの知識・経験が投資にも役立つ。
・「投資」を知らなければ「労働者1.0」のまま、すなわち一生「奴隷」から脱することが出来ない。
・投資は「知の総合格闘技」という著者の熱い想いが凝縮された、熱量の高い一冊
私がマーカーを引いた主な箇所
・投資で成功するために重要なのは「総合力」です。総合力とは、バラバラになっているものを一つにまとめ上げる力のことです。
・さまざまな知識を総動員して結果に結びつけていく作業プロセスは、投資もビジネスも同じです。(略)投資は知の総合格闘技です。
・このようなトレードは自分が売買しない限り利益が得られません、自分の時間と才能を切り売りして利益を得ているのですから、労働者1.0のマインドと何も違わないのです。
・子供のうちにやる勉強などの活動は「時間」を「能力」に変える活動なのです。大人になってから、その「能力」と「時間」を「お金」に変えて生活するのです。
・若くて時間がある若いビジネスパーソンがまずやらなければならないこと、やり続けなければならないこと、それは「自分への投資」です。
・株式投資を通じて他人にも働いてもらえば、実質的に自分の一日の持ち時間を増やすことが出来ます。
・企業の本質的な存在意義は何か?それは「社会に付加価値をつけるため」に尽きる
・「有能」の境界を意識しよう。(略)他の投資家たちの売買によって左右される株式の需給などは境界の外
・農林中金バリューインベストメンツの設立趣意書の中心理念は「経世済民」
・利益は「お客さんにとっての課題を発見し、その課題を解決することで得られる対価」
・参入障壁は色痩せやすい
・(会社訪問で聞くこと)「御社のビジネスには参入障壁があるのですか?」
・面談の場は仮説の確認の場であって、面談前に「独自に考える」という最も重要な作業は終わっているといっても過言ではないのです。こう考えると私たちの投資は「モノづくり」だと言えます。
以上です。
私も若いときから、ひたすら本などを読み「自分に投資」してきた自負はあります。
アーリーリタイア後の資産運用が、まだ「労働者1.0」の域を出ていない部分があるので、もっと他人に働いてもらい時間を増やすことを意識していきたいと思います。(とは言いながら、いろいろ調べたり、試したりするのが好きなんですよね)
「売らない株しか買わない」とか、「構造的に強靭な企業」を持つ会社を選ぶとか、奥野さんが話すのを何度も直接聞いて知っている箇所は割愛しました。
本もいいですけど、一番は生の話を聞くのが熱くていいですよ(笑)
I hope you like it.