つばめ投資顧問代表の栫井さんから献本をいただき、早速、読了しました。
一番の感想は「共感度」の高い、とっても良い本でした。
著者プロフィール
・1986年鹿児島生まれ。県内進学校、東京大学経済学部卒業
・大手証券会社に勤務した後、2016年、つばめ投資顧問を設立
・500名超の個人投資家を相手に投資アドバイスを行っており、YouTuberとしても登録者数は5.8万人を誇る
・1986年といえば私が大学に入学した年です。ですので、30代半ばと私よりはかなりお若い方です。
本書概要
本書は投資初心者を念頭に、一連の株式投資の始め方を説くとともに、投資を通して仕事など人生全般に応用がきくような「勉強」をしていくことを推奨しています。
単にお金を増やすことにとどまらず、「幸せな投資」について改めて考える機会を与えてくれる良書でした。
ウォーレン・バフェットに多くを学んだ著者が書いた本書には、素敵な言葉もたくさんありました。
エルが選ぶ「素敵な言葉」
・「株式投資」を勉強することで資産を増やせることはもちろん、世の中の仕組みを正確に理解し、最終的には資本主義社会を生き抜く上で大切なスキルを身につけることができる
・貯金が歩いて目的地に向かうようなものだとすれば、投資は車に乗ることなのです。
・現代=長生きの時代を快適に過ごすために投資知識を身につけることは、まさに運転免許をとることのように、生きていく上で当たり前に必要となる能力なのです。
・お金を持ちすぎていてどうしたら良いか分からない人も、財布の紐をなかなか緩められない人も、共通しているのは「不安」に苛まれているということです。
・お金はそれだけで人を幸せにすることはできません。そこに正しい理解があってはじめて不安を払拭し、正しい人生設計を行うことができます。
・私が考える最適なお金と幸せの関係とは、最終的には「お金のことを気にしなくても済む状態」です。それは必ずしも有り余るお金を持つことではなく、必要なものを必要な時に買え、将来に対する不安がなく、ちょっとした大きな出費にも耐えられるだけの財産を持っていることです。逆に言えば、それ以上のものを望む必要はありません。
エルの考えと共通点多い
著者はiDeCoを活用したインデックス投資による「積立投資」プラス個別株の「スポット投資」を提案しています。(ちなみに投資顧問の顧客に提案する銘柄にはご自身でも「パイロット投資」しているとのこと)
誰でも簡単に一定の成果が得られるインデックス投資によって、ベース部分は「ほったらかし」投資を行いますが、インデックス投資の限界(平凡なリターンになる、世界の株式市場が伸びることを前提としている 等)を踏まえ、よりリターンの可能性があり、また「学び」の多い個別株へのスポット投資を併用する考え方です。
個別株選びでは「よく知っている企業」への投資が適していると私の本でも展開した考えが述べられていました。
そして、銘柄の分析においては、企業が決算説明会等のため準備するプレゼンテーション用資料や短信、あるいは会社四季報等よりも「有価証券報告書」をよく読むことの重要性が強調されています。確かに、企業のことをちゃんと知ろうとすると避けては通れないですね。
また、投資本を濫読して自分に合った方法を身につける、あたりは、かつての私がそうでした。(巻末にはお勧め書籍一覧あり)
最後に
詳細は割愛しましたが、証券会社選びから始まって、個別株の注文方法や、iDeCoなどに関する基本的な言及などもあります。
ただ、本書の一番のポイントは「投資と幸せの関係」や投資からの「学び」にあると感じました。ベテラン投資家にとって、投資方法自体に関する記述には、特に目新しい箇所はありませんが、この部分は読んで決して損はないと思います。
I hope you like it.