はじめに:育休中に1億円!?
書店でひときわ目を引く、鮮やかなピンクのカバーと「育休中に1億円貯めた」という衝撃的なタイトル。一見すると、よくある「片手間で楽に稼げる」系のノウハウ本かと思われるかもしれません。
しかし、本書を読み進めていくと、その印象は良い意味でガラリと覆されます。そこに書かれているのは、徹底した現状分析、圧倒的な行動力、限界を作らない努力、そして相場と真摯に向き合ってきた軌跡です。
今回は、2児のママでありながら数億円の資産を築き上げた兼業投資家・ちょる子さんの初著書『ママ投資家が育休中に1億貯めた株式投資』(ダイヤモンド社)の書評をお届けします。(ダイヤモンド社より献本御礼)
著者・ちょる子さんってどんな人?
著者のちょる子さんは、1990年生まれ。実はこの1990年という年は、私自身が社会人として就職した年でもあり、個人的にも非常に感慨深い縁を感じる世代です。彼女は投資家であるご両親をはじめ、身近に投資を感じられる環境で生まれ育ちました。
学歴・経歴も異色です。私立大学の薬学部(6年制)を卒業後、製薬会社のMR(医薬情報担当者)としてキャリアをスタート。同じく他社でMRをされていた旦那さまとご結婚されます。
投資人生のスタートは2011年。父親の指示に従い元手240万円でオリエンタルランドに投資を開始。しかし、元々は投資に関心なく放置したままでした。ここまでは、多くの個人投資家と同じようなスタートラインと言えます。しかし、後述する旦那さんの件をきっかけに証券口座を確認したところ、これが7年後約1900万円になっていた・・・。
大きな転換期となったのが2019年、第二子の「育児休暇(育休)」です。このまとまった時間をきっかけにマインドチェンジを果たし、大型株のスキャルピングやスイングトレードなど、本格的な株式投資の世界へと足を踏み入れます。
その後、わずか約2年という短期間で金融資産1億円(億り人)を達成。現在では資産4億円を突破しながらも、SNS(X)では飾らない「爆損芸」を披露するなど、多くの投資家から愛されるトップインフルエンサーとしても活躍されています。
本書から学ぶ、資産を爆発的に増やす3つのコア・エッセンス
本書には、単なる手法の紹介にとどまらない、投資家としてステップアップするための本質的なヒントが詰まっています。特に私たちが学ぶべきだと感じたコア・エッセンスは以下の3点です。
① 単なる優待株投資から「勝てるトレード」へのシフト
多くの個人投資家が「ほったらかし投資」や「優待・配当狙い」に落ち着きがちな中、ちょる子さんは利益を最大化するために「資金効率」を徹底的に意識したトレードへと舵を切りました。市場の需給や株価チャートを読み解き、勝てる局面で勝負するプロさながらの視点へのシフトが、資産急拡大の原動力となっています。
② 育休という「時間のゆとり」を最大レバレッジに変える思考法
「育児で忙しいから投資なんて無理」と諦めるのではなく、育休によって「会社に拘束される時間から解放された」というメリットを最大限に活かした点が秀逸です。日中のザラ場(取引時間中)の動きを観察し、相場の呼吸を掴むための時間に充てたというエピソードは、限られた環境を言い訳にしない投資家としての執念を感じさせます。
③ X(旧Twitter)でも話題の「爆損」から立ち上がるメンタルの強さ
ちょる子さんの魅力は、華々しい一億円達成の裏にある「泥臭さ」です。時には数千万円規模の損失を出すシーンも描かれますが、特筆すべきはそこからの「立ち直りの早さ」と「徹底的な反省・言語化」です。失敗を次の糧にする強靭なメンタルコントロール術は、すべての個人投資家が深く共感し、見習うべきポイントです。
【ココが響いた!】私の率直な感想と気づき
本書を読み進める中で、私が特に強く印象に残ったポイントや、同じ投資家として深く共感・感服した点をいくつか挙げたいと思います。
圧倒的な修羅場を救った「お金の力」と男気
本書の中で特に印象深いのが、本書冒頭の方で明かされるエピソードです。旦那さんが新婚のとき適応障害を患い、働けなくなってしまった際、なんと1000万円ほどあった負債をすべて若いちょる子さん個人が整理したというのです。「お金を持っていたからこそできた芸当」ではありますが、家族の危機にこれだけの行動をとれる彼女の強さと男気には、少し圧倒されました。
マーケットの声に耳を傾ける柔軟性
投資手法の面で、彼女は「変化し続けるマーケットの声を聴く」という姿勢を徹底しています。自分の見立てに固執せず、相場の地合いに合わせて柔軟に手法を変えていくスタイルは、激動の相場を生き抜くための本質だと感じます。また、「流動性の高い大型株を中心に据える」というアプローチは私自身の投資スタイルとも共通しており、非常に親近感を持って読み進めることができました。
驚くべき技術と、投資への熱い情熱
共通点がある一方で、彼女のテクニカル分析(チャートの見方)の深さや、先物・オプション取引までを駆使して着実に利益を上げている点には、正直「顔負け」の一言です。優待投資からスタートしたとは到底思えないほどの、凄まじい努力の跡が窺えます。本書を通じて、彼女がどれほど熱心な「勉強家」であるかが伝わると同時に、相場と人生に対する非常に「熱い心の持ち主」であると感じ入りました。
まとめ:この本はどんな人におすすめか?
『ママ投資家が育休中に1億貯めた株式投資』は、キャッチーなタイトルとは裏腹に、泥臭い努力と高い技術、そして困難に負けないメンタルが凝縮された本格的な投資バイブルでした。
- 「時間がなくて投資ができない」と言い訳をしてしまう人
- 優待・ほったらかし投資から、もう一歩ステップアップして資産を増やしたい人
- 相場で手痛い負けを喫し、モチベーションが下がっている人
こうした方々にとって、本書は大きな刺激と具体的なヒントを与えてくれるはずです。ちょる子さんの熱い情熱に触れ、私も明日からの相場に向かう元気を分けてもらえる、そんな素晴らしい一冊でした。

posted with ヨメレバ
ちょる子 ダイヤモンド社 2026年05月21日頃
I hope you like it.
