つばめ投資顧問の「顧問」に就任

ホントは教えたくない 資産運用のカラクリ 投資と税金篇 2016

この記事は約3分で読めます。

今日は2003年4月に刊行された『ホントは教えたくない資産運用のカラクリ 投資と税金篇 (Wild investors) [単行本]』の全面改訂版をご紹介しておきましょう。(注:読了したのは2015年12月です)

投資においては「税金」を含めたトータル・リターンが重要ですが、2016年税制改正を踏まえた最新の内容となっています。

2016年からの税制改正の目玉は、最も複雑だった債券や公社債投信の税制が大きく改訂されたこと。

2015年までの仕組みは割愛しますが、2016年からは

株式・債券・投信などほとんどの投資商品が「株式グループ」として統合され同じ扱いになる
・そして、FX・CFD・先物・オプションなどは「デリバティブグループ」として統合され「株式グループ」とは 別の扱いになる
・「株式グループ」「デリバティブグループ」の各グループ内では「損益通算」「損失繰越し」が可能
・「円預金」「外貨預金」は上記のどちらのグループにも入らず、損益通算も損失の繰越しも不可能

という様に大きく税金の仕組みが変更となりました。

《個人投資家の税務戦略10カ条》

本書の結論部分を特別にご披露します。詳細は本書を読んでください。

  1. 預金はなるべく減らす
  2. 1年以上使わないが絶対に損したくない資金は個人向け国債へ
  3. NISAには着実に値上がりが狙える銘柄を入れる
  4. 投資商品は同じ税グループに集める
  5. 非課税を狙った債券やMMFなどへの投資は2015年末までに整理し、債券はETFに移行する
  6. 総合課税よりも分離課税を選択する
  7. 特定口座(源泉徴収口座)の申告不要制度を活用する
  8. 投資商品は上場されている株や先物を優先する。FXやCFDは補完的に使用
  9. コストに注意を払う
  10. 自分ひとりの手に負えなくなったら法人化を考える

上記10カ条のうち私が下線を引いた部分については、多くのメディアでも話題になっていますが、非課税メリットを享受できる2015年中に実行する必要があります。(ちゃんと、実行しましたか?)

なお、なにぶん税金に関することがメインの本書なので、中途半端な説明は誤解を生む可能性が高く本書を実際に手に取ってご確認ください。

《著者の考える「次の10年」》

本書「あとがき」では、本書の元となった2003年の本が出てから10年の間に投資税制が著者の想像以上に変化したことに驚いていることが述べられた後、「次の10年のヒット商品」が予測されています。

予測1「スイープ口座が爆発的に普及し預金が激減する」

・上記の税制改正により2016年以降は預金が「ダントツで不利な立場」に置かれることから、ひよっとすると預金からMMFへ100兆円単位で資金移動が起こる。この結果銀行の資金調達の形態を根底から変えるかもしれない。

予測2「アカウントアグリゲーションの覇権争いが起きる」

・証券口座・銀行口座・保険口座等を一括管理するアカウントアグリゲーションの必要性が増し、こうした覇権争いが起こる。

予測3「ミラートレードが投資業界を脅かす」

・FXやCFDで使われている技術。これは別の人がやった売買を、そっくり真似して自動的に取引してくれる技術のこと

予測4「貨幣はほとんど電子化され、税務申告がほぼ消滅する」

・マイナンバー制導入で所得も費用も資産も家族構成も明らかになれば、国が自動的に税金を計算することも可能になる。今の段階では想像できなくても技術的には十分可能。

《本書電子版について》

・本書を紙の本で購入し読んでからわかったのですが、電子書籍版には投資商品のメカニズムにかかる説明が90ページ以上追加されているそうです。
以上、簡単なご紹介でした。

I hope you like it.

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この記事を書いた人
エル

50代、4人家族。1991年株式投資を開始。リーマンショックの影響により過去最高の含み損を抱えるも、2009年末に復元。2011年レバレッジ投資(両建て投資)終了。2019年セミリタイア。現在は米国株を中心に運用中。趣味は読書で「積ん読」は数百冊を誇る。音楽や映画鑑賞も好きです。

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