セミリタイア5年目の2023年を総括

『世界一やさしい 米国株の教科書 1年生』は長く使える1冊

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米国株ブロガー歴において「先輩」の「はちどう」さんが、とってもナイスな本を出版されました。本日は本書のご紹介です。

まず、結論から申し上げますと、物凄く「完成度の高い投資本」に仕上がっていました。

はちどうさんのプロフィール

・ブログ「アメリカ株でアーリーリタイアを目指す」を2015年から運営
・1980年生まれ、外資系の会社に勤める兼業投資家で、サラリーマンでもアーリーリタイアが達成可能であることを証明したいとの思いから2014年から米国株投資、翌年からブログの執筆を開始。7年後、47歳での実現が目標。
・変わったハンドルネームは、著者の趣味の「弓道」を、「九どう」→「八どう」と当時幼稚園児だった息子が笑っていたことに由来
・社会人3年目の2004年に日本株、2007年にワンルームマンション投資にチャレンジするも、ワンルームマンションは売却。それで得た現金1000万円を元に毎年入金しながら米国株投資を継続中。
・米国株ブロガー界隈では、知らない人はいない有名人です。

本書概要

・タイトル通り「教科書のように本棚や手元におかれる、息の長い本」を目指して執筆。一読して、これから投資を始める初心者(投資家1年生)から、既に投資経験を十分積んだベテランまで重宝する、まさに「教科書」となっている。
・カバーする項目は広く、(1)株式とはなんぞや、(2)米国株を推奨する理由、(3)アーリーリタイアに向けた投資計画の立て方、(4)インデックス投資、投資信託、ETFの説明、(5)積立投資・長期投資を可能とする投資の考え方(リスクとリターン、リスク許容度、4%ルールなど)、(6)証券口座の開設方法、(7)米国の個別株・ETFの選定方法、(8)つみたてNISA、iDeCoの概要説明、(9)経済統計などの情報源、と極めて欲張りな内容。チャート分析の説明まであったのには、正直驚きました。

本書のポイント

「米国株」投資本ではない

・本書は上記の通り、株式・株式会社の仕組みの説明から始まって、全ての投資に共通するNISAなどをフルカバーしており、個別株に限定されない株式投資の教科書となっている。
・その上で、米国株投資家が知っておくと便利な情報の取り方や、米国での配当への二重課税を取り戻すための「外国税額控除」の説明などが補強されている。2000年のインターネットバブル時に付けたナスダックの最高値が、その後15年間更新されなかった事実など、米国株称賛一辺倒ではなく長期停滞リスクについても言及

データが充実

・「教科書」として長く使えるようにするため、陳腐化しそうな情報(例えば、推薦ブログなど)は排除されている一方で、根拠となる数字・データを随所に盛り込み、説得力ある内容となっている。巻末の「参考文献一覧」も充実。

すぐに他の投資家との会話に困らなくなる

・有力な投資信託を選ぶ際に必見の「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year」、資産が倍になる年数がわかる「72の法則」、ホームカントリーバイアス、2020年1月から開始された「投資信託等の二重課税調整制度」に関する説明など、個人投資家の仲間と会話する際に知っておきたい項目がしっかり入っているのがニクイ

すぐに使える!

・米国株の株価などの情報を取るために便利なサイトやアプリ、米国株投資のバックテストが試せるサイトの紹介など、本書が1冊あれば、すぐに口座開設から実践まで移行できる内容です。取引記録のつけ方も参考になると思います。
・私も、米国株投資を再開した際、はちどう先生のブログでいろいろ学習しました(笑)

個人的にマーカーを引いた箇所(一部抜粋)

・米国株は連続してマイナスリターンになりにくい。1929年〜2019年のうち、S&P500株価の年間騰落率が連続してマイナスになったのは5回だけ。1945年以降の戦後では1970年代と2000年代の2回のみ
・米国株式市場S&P500における外国人比率は、2002年の15%程度から、2018年には35%にまで上昇。
・S&P500構成銘柄の国外売上高比率は45%前後で推移
・米国での勤労所得と財産所得の比率は3:1であるのに対し、日本では8:1
・2016年に米国の証券取引所から上場廃止になった米国籍企業の数は336社
・MSNの調査によれば、アメリカのミレニアル世代のうち67%が早期退職を希望

最後に

・私と著者の関係ですが、著者が初めていわゆる「オフ会」に参加した際、私も同席するなど、何度かお会いしたことがあります。とっても「爽やか」な感じがする好青年(40歳ですけど)です。
(参考)米国株投資ブロガーと1900円でオフ会を満喫
・そんな経緯もあり、本書はご恵贈いただきましたが、完成度の高さに正直驚きました。というのは、はちどうさんは外資系の会社のバリバリの現役サラリーマンだからです。海外とのテレカンファレンスなど多忙な日々を送っている中での本書の執筆はさぞかし大変であったと推察します。
・最後になりましたが、はちどうさん、初の出版おめでとうございます。米国株経験者の復習にも好適な本書は幅広い層の読者にオススメです。

I hope you like it.

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この記事を書いた人
エル

50代、4人家族。1991年株式投資を開始。リーマンショックの影響により過去最高の含み損を抱えるも、2009年末に復元。2011年レバレッジ投資(両建て投資)終了。2019年セミリタイア。現在は米国株を中心に運用中。趣味は読書で「積ん読」は数百冊を誇る。音楽や映画鑑賞も好きです。

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