投資ブログ「三菱サラリーマンが株式投資でセミリタイアを目指してみた」を運営する穂高唯希さんから献本をしていただきました。
届いたその日に一気に読み終えた本書。
ずばり、「日本人による日本人のための最も推薦できるFIRE本」に仕上がっていました。
世界に広がるFIREムーブメントとは
・FIREとはFinancial Independence and Retire Earlyのことで、経済的自由を達成した上で、早期リタイアをすることを指しますが、これが米国やドイツを中心に若い世代の間でムーブメントとなっています。
・私もアーリーというのはいささか抵抗がありますが、昨年51歳の時退職している身分ゆえ、関連書籍の翻訳本などで動向はフォローしています。
著者プロフィール
・投資ブログ「三菱サラリーマンが株式投資でセミリタイアを目指してみた」を2015年から運営。ブログ訪問者は日次ベースで1万人を超える人気ブログです。たまたま、私が米国株に本格的に投資を開始した時期に人気ブログとなっていたので、ブログもよく拝見していました。
・慶應義塾大学経済学部卒業、北京大学にも1年留学経験を有し半年で中国語検定のHSK(漢語水平考試)の最高級を取得。三菱グループの「国際的な業務・視点を持ち、多様性を良しとし、海外へ駐在する機会もあり、なるべく待遇も良い企業」という希望に叶う企業に就職。私も何度も投資したことがある超一流企業です。すぐどこかは、分かりますね(笑)。
・入社前は中高一貫校や海外留学など自由な雰囲気の下で育ったこともあり、入社初日にサラリーマン生活に幻滅を覚え、いつしか会社がまるで「豚舎」に見えるようになったと言います。(ブログアドレスにご注目)
・以来、「30歳でセミリタイアを達成する」ことを目標に掲げ、実際に30歳に実現。この若さで、現在の金融資産は7000万円に到達しているというから驚きです。
早逝した父親の死と人生観
・著者が2歳の時、ちょうど現在の著者の年齢と同じくらいで、お父さんは海外登山で遭難し若くして亡くなっています。幼い頃から身近に「死」が存在し、「社会で一般的とされる社会通念にとらわれず、一度きりの人生、自分が思うままに自由に生きよう」という信条が形成されました。
・「日本人男性の健康寿命は72歳である」というデータもあり、私も毎日を一生懸命に楽しく生きることの必要性を痛感しているところです。
ひたすら一定期間は「お金を稼ぐこと・資産を形成すること」に集中
・確実に早期セミリタイアするためにはどうすればいいのか。試行錯誤を続けた結果、出た結論は一定期間は「お金を稼ぐこと・資産を形成すること」に集中することでした。
・その方法とは、月給の8割とボーナス全額をせっせと株式など投資に回すことです。そして、投資だけでなく「支出の最適化」も徹底。いわば、「給与の大部分を投資に回すこと」と「支出の最適化(節約)」を両輪として、優良と判断した高配当株・連続増配株に資金をひたすら投下して、FIREを実現したのです。
第2章から4章は具体的な方法論
Chapter2「支出を最適化し、高配当・連続増配株投資を始めよう」
Chapter3「お金自動発生マシンを組み立てよう」
Chapter4「お金自動発生マシンを強化する」
・Chapter1「私が早期セミリタイアをめざし投資手法を確立するまで」に続く章では、著者が実践してきた投資などの具体的な方法論が展開されています。ここでの重要なキーワードは「心地よい資産形成」だと感じました。
・そして、「支出の最適化」(支出の削減)は同様の利潤を投資から得るよりも遥かに簡単であることの重要性が強調されていました。そう、運用利回りは、外部環境や当人の力量に大きく左右されてしまうのに対し、「支出の最適化」は自分でコントロールできるからです。
・著者が有望だと考える投資先であるETF(SPYD・HDV・VYM)の比較や、個別株の詳細については、本書を読んでご確認ください。
・なお、P102〜P104にかけて、平均年収の人がS&P500へ投資し続けた場合の「資産形成シミュレーション」が2パターン掲載されていました。ただ、この箇所の前提が「月間支出15万円」となっているので、相当ハードルが高いと感じました。(著者には簡単なんでしょうけれども:笑)
最後に
・本書の中で著者は「FIREを語る上で外せないのは、生き方そのものです」と言っています。そして、「お金を目的にしていたら、私は決して30歳でセミリタイアはしなかった」と。まさに、この部分は私も全く同じです。私も自由に生きていくための「切符」は手に入れることが出来たと判断したので、有限ある時間を優先することとしました。
・投資知識や理論・実践に限らず、生き方や人生哲学に関する記載も豊富な本書は、「自由な生き方(FIRE)が日本でもできることを証明したかった」との言葉通りの大変まとまりの良い力作です。
・冒頭に書いた通り、類書をいくつも読んだ私が、自信を持って「日本人による日本人のための最も推薦できるFIRE本」であると太鼓判を押して本投稿を終えたいと思います。
・最後になりましたが、献本いただき御礼を申し上げますとともに、本書および本投稿が多くの方にとって、人生を考えていく一助になれば幸いです。
I hope you like it.