『高速取引』(著者:水田孝信)を読了

世の中で、殆ど実態が知られていない株式市場の「主役」である高速取引について書かれた新書を読みました。

株式市場に関する理解だけでなく、AIに対する解像度も本書を読めば、深まること請け合いです。

高速取引 株式市場にAIがもたらすマーケット・インパクト

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水田 孝信 星海社 2025年09月19日頃

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目次

著者プロフィール

・資産運用会社のスパークス・アセット・マネジメント株式会社上席研究員
・工学博士
・人工知能学会金融情報研究会で専門委員
・主な研究テーマは人口市場シミュレーションを用いた金融市場の規制・制度の分析
・現在の勤務先では入社後一環して株式市場やファンドの定量分析を行なっており、高速取引そのものとは直接関係ない立場で関係省庁等に対して意見具申している

本書読めば得られる効能

以下について主に理解が深まります。

・高速取引業者は、自らの実態を隠す傾向があり、上場している企業も非常に限られる。そうした高速取引業者(2024年10月現在、金融庁に専業の取引業者として登録されているのは53社)の概況
・高速取引業者の取引手法(内容と過去からの変化)
・高速取引の株式市場におけるポジションと役割
・高速取引と密接な関係を有するAIの特徴(得意なこと・人間しか出来ないこと)
・そもそも、株式とは何か?お金とは何か?

読後の感想

日本の株式市場が少し前から、人間ではなく、機械的な取引が中心になっていることはある程度知っていましたが、想像よりも前から「深く」、AI等を用いた高速取引がポジションを築いているのは少し意外でした。

知識のない一般の個人投資家からは、どちらかと言えばマイナスイメージで捉えられがちな高速取引が、実は株式市場に流動性を提供する大きな存在であり、今や欠かせない状況にあることが理解出来ました。特に、将来、首都直下型地震等が起きた場合、株式市場がその後早期に取引再開出来るかどうかは、高速取引業者が取引可能で十分な取引ボリュームが得られることが事実上その前提となっているなど、まさに高速取引は我が国の株式市場の「重要なプレーヤー」であることは、すべての取引参加者が承知しておくべきでしょう

証券取引所にとっても「最重要顧客」である「高速取引業者」

本書を読んで、その謎のベールが少し剥がれた感じがします。

I hope you like it.

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