つばめ投資顧問の「顧問」に就任

『夫婦でFIRE』(グミ&パン)を読了

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雑誌名は忘れましたが、マネー雑誌の億り人かFIREした人の特集で、同じタイミングで掲載されたこともあるグミ&パンさんが初めて本を出版。この度、献本を受けました。

早速、読了しましたので、簡単ですが、本の概要や私の感想などを綴っておきましょう。

著者プロフィール

関西出身で現在関東にお住まいの30代後半のご夫婦。幼稚園程度の小さな娘さんが二人いるご家庭です。世帯手取り630万円からスタートして、2021年に1億2000万円の資産を築き、夫のパンさんは会社を辞めて現在仕事は1日4時間程度だけ好きに働くセミリタイアの生活を送っています。

概要

独身ではなく、夫婦の、そして高給取りではなく、ごく普通の収入のダブルインカムの家庭のFIRE実現までのストーリーとなっています。(家族4人の1年間の生活費は340万円が基本とのこと)

FIRE達成に向けて、夫婦お互いの「価値観」を明確にして理解し合うことに最も力を入れたと言い、互いの得手不得手を考慮して、役割分担しながら理想の生活を実現するまでの過程について、順を追って説明がされており、とても読みやすい本に仕上がっていました。

個人的に印象に残った箇所など

コンフォート原則にのっとった支出

FIREの準備を進める上で規律あるお金の使い方をする必要があるわけですが、著者の家庭で採用したのは「日々よく使うものに対してお金をかけると、生活の満足度が高くなる」という「コンフォート原則」の考え方です。

著者はアップル製品にお金をかけているそうですが、我が家ではオーディオがこれに該当するでしょうか

価値観の整理

夫婦の価値観の整理に際しては、以下の4つのテーマについて考えました。

「自分が幸福に感じること」
「自分が大切にしたいもの」
「自分がやりたいこと」
「自分がやりたくないこと」

そして、次に「死ぬまでにやりたいことリスト」を作成

これを時間軸を意識した「タイムバスケット」に入れていく作業を行います。

こうすることで

・やりたいことと、それを実現したい時期が明確になる
・実現に向けて、どのタイミングでリスクを取るべきかがわかる
・FIRE達成のモチベーションになる

というような効果が期待できます。

100歳まで困らないライフプランづくり

よりFIRE達成の確度を高めるため、家族全員の将来のライフイベント、年齢、想定される資産額と年間収支を表に落とし込み、緻密な計画を作成

この際、資産運用の利回りの想定は、いわゆる「4%ルール」よりも保守的な3%以下としています。

徹底的な断捨離

この夫婦のFIREの目的は「資産形成して会社員を辞め、妻の実家近くに移住して、ストレスフリーに暮らす」こと

この目的を達成するための手段として、徹底的な断捨離を時には夫婦喧嘩もしながら断行します。この結果、年間の支出が100万円程度削減できたというから驚きです。

収入は4つに分けて積み上げる

1)給与収入
2)人や企業からの依頼で行う仕事の収入
3)事業収入
4)資産収入

著者の家庭ではメインの収入源を上記1)給与収入→2)人や企業からの依頼で行う仕事の収入→3)事業収入+4)資産収入の順番でシフトさせています。

この結果、2011年結婚した当時の世帯手取り630万円(夫400万円+妻230万円)が2017年には1000万円に増加

なお、人生の満足度を下げない観点から敢えて、労働の2)と3)を行う余地を残したとのことです。

ローリスクで平均点をとる資産形成

本書では、基本的に世界株へのインデックス投資を万人に薦めることができるとしています。

最後に一言

上記の通りグミ&パン家のFIREは私の様なフルFIREではないのですが、むしろ多くの読者にとっては現実的かつ理想に近い感じがしました。

私の場合には、この様な緻密な作業は実施せず、2019年に退職、専業投資家に移行していますが、もし私が退職する前に本書があったら、参考になったことでしょう。

運用面よりも、FIREに向けた環境づくりやプランニングに力点が置かれていますが、比較的若い世帯にとって非常に参照できる部分が多い本だと言えるでしょう。

I hope you like it.

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この記事を書いた人
エル

50代、4人家族。1991年株式投資を開始。リーマンショックの影響により過去最高の含み損を抱えるも、2009年末に復元。2011年レバレッジ投資(両建て投資)終了。2019年セミリタイア。現在は米国株を中心に運用中。趣味は読書で「積ん読」は数百冊を誇る。音楽や映画鑑賞も好きです。

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