エルです。
重い腰を上げて(実際は毎週筋トレしているので軽いのですが)、懸案だった「積読本」の整理をしています。
軽く300冊くらいあるでしょうか。
全くの新刊、ブックオフで買った本、途中まで読んでそのままだった本・・・・
そんな中に、昔(大学生か20代前半の時)読んだベストセラー『ビジネスマンの父より息子への30通の手紙』がありました。
本書は、二度にわたる心臓の大手術を受け、近づく死神の顔を見た著者(キングスレイ・ウォード:カナダ人の実業家)が、生きているうちに「これだけは息子に伝えておきたい」と考えしたためた手紙が元になり出版されたものです。
訳者:城山三郎による「まえがき」と「あとがき」
今は亡き作家の城山三郎氏が本書の翻訳だけでなく、「まえがき」と「あとがき」の両方書いていますので、まず、そこから引用します。
<まえがき>
本書には、もちろん、成功のためのノウハウやテクニックがつまっている。それらは、思いつきでなく、著者が一生かかって体験した中から出てきたものばかりで、重い中身がある。
重さは、そのせいだけではない。著者は「常識」を説くが、その「常識」とは、ビジネスマンとしての処世の原理原則のことである。
本書は、若いビジネスマンだけでなく、ミドルにもトップにも、十二分に読みごたえがあり、役に立つ。いや、ビジネスの世界を離れても、いろいろ教えてくれることが多い。わたし自身も、幾度か、悔いまじりの溜息をついた。
<あとがき>
本書を手に無数の読者が、その数と同じ目に見えぬ父親たちと会話をはじめるさまが、わたしには目に見える気がする。わたし自身もまた、その一人であるが。
エルがマーカーを引いた箇所
再読本なので、自分用にマーカーを引いた箇所を残しておきます。
・人がこの世を去るときには、その人とともに、経験から学んだ大量の知識がむざむざと闇に吸い込まれてしまう。
・君に言いたいのは、人生は一回限りだということだけである。精一杯生きよう!
・私は君に毎年一つずつ新しい学問をはじめるように勧める。
・「読むことは人を豊かにし、話し合うことは人を機敏にし、書くことは人を確かにする」(フランシス・ベーコン)
・君は登り坂で車を押すことが困難な仕事であるのに気づいているだろう。途中で休めないわけではないが、やりとげてしまわないと、たいていの場合、車はもとの坂の下まですべりおりてしまう。
・それまでの私の大きな試みは、ことごとく友人に嘲られ、反対された。幸福であれ、金であれ、満足感であれ、その最大の勝利というべきものは、ほとんど全世間の冷笑を浴びながら手にしたのであった。
・80パーセントの人たちは、データ不足というよりは、データの過った解釈によって、意思決定の間違いをおかすことを知るだろう。
・よくある無作法に、人の話をさえぎることがある。いわば話し方の癖で、私の見るかぎり、多くの人がそれでイメージを落としている。(略)相手が話しているときには慇懃な沈黙が金である。沈黙は相手の知性と考え方に対する敬意を表すからである。話題がひとつ、「私」に限られている人も多い。
・ひとかどの人物になるための条件は何か?第一に必要なことは、誰もが心を持っているという事実を悟ることだろう。
・人生が突きつける挑戦に対して、態度を選ぶ自由があることを知って、それを行使するならば、君が人生の幸福を勝ちとる率は大きく伸びるだろう。
・フランクル博士の言うとおり、私たちが真の幸福感を味わうのは、自分自身に定めた何らかの目標を達成したときである。
・「人生の価値は時間の長さではなく。その使い方で決まる。長生きしても、空しい人もいる。人生に喜び(幸福)を見出すかどうかは、その身の上話ではなく、心の持ち方で決まる。」(モンテーニュ)
なお、本書は著者の息子が17歳のときから、約20年後、その息子に会社を譲るところまでが書かれている。
I hope you like it.