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『50歳からの知的生活術』はこの年代の必読書

私が好きな作家に元伊藤忠商事で、同社の丹羽宇一郎(元中国大使)会長秘書などを務めた三輪裕範氏がいます。

本書は2005年に出版された『四〇歳からの勉強法』の続編とでも呼べる内容の本です。

本書概要

・前著『四〇歳からの勉強法』を書いた大きな理由は、当時出版されていた勉強法に関する著者の多くが学者や評論家であるなど、ある意味で勉強をすることを本業にしている人が書いたものであったことから、会社勤めのサラリーマンの身には、非現実的で観念的過ぎると感じられたこと。
・そのため、現実的で実践的であることに徹底的にこだわって書いた。すなわち、前著では、スキルアップやキャリアアップにつなげるために、いかに時間を作り出し、いかに効率的に勉強をしたらいいのか、その具体的な方法を説明した。
・それから9年が経過。前著を読んだ主たる読者層の年齢が50歳前後になる中で、本書は主として50歳以降の人に対して、定年後の一つの生き方として、精神的にも充実した、ゆとりのある知的生活を提案するもの。

私が重要だと思った箇所など

定年前に準備しておくこと

そうした知的生活をするために定年までの間に、①読書週間を身につける、②自分の関心テーマ・分野を見つけ出す。(ただし、②については定年後になってからでも問題はない)

定年後を充実させるための三原則

・現実の自分に合わせる
・自分の興味のあること、好きなことだけをする。言い換えれば、自分の意にかなうことを見つけ出すということ
・決して他人と比べないということ

現役時代と定年後の生活の違い

①時間的余裕の有無
②強制性の有無
③実利優先か精神的満足優先か

「役に立つことを速く」から「役に立たないことをじっくり」へ

・「すぐ役立つことは、すぐ役に立たなくなる」
・「ロジカル・シンキング」から「イロジカル・シンキング」へ
・「人生という競技の終わりも近いのに、馬車を操縦する技術を向上させても仕方ない、コースからの「退場」の仕方こそが大事だ」(ジャン・ジャック・ルソー)

拡散から収束へ

・若い時代というのは、経験も関心も増えて行く「拡散の時代」。中高年以降は「収束の時代」。「終息の時代」にはあらず

自分のホームグラウンドをもつ

・自分がいつも安心でき、いつでも気軽に帰っていくことができる自分のホームグランドをもつ
・そうした試行錯誤を漫然と行っていてはだめ。日ごろから意識的に努力していくということ

テーマを見つける

・どんな新聞記事に興味をもったかがヒントになる
・自分の本棚をじっくりと眺めてみる
・小さな興味を大事に育てていく
・十分に絞り込む
・自分のアンテナの役割を果たすのが問題意識

「クオリティ・リーディング」のすすめ

・20代から40代前半ぐらいまでは、自分の欠けた知識を埋めるために知識量を増やしていくことが大切。「クオンティティ・リーディング」中心の時期
・50歳以降の定年前後世代においては、読んだ本の量よりも質を重視する「クオリティ・リーディング」にシフトする
・「クオリティ・リーディング」の核心は「批判的読書」。著者と対等な立場に立って、著者の考える道筋を追体験する
・「多く読んで少なく考える」から「少なく読んで多く考える」へ

その他

・本書には、本の選び方や情報収集の仕方などのノウハウ、そして読んでおくと良い古典など参考になる情報が満載。参考図書も多く掲載されているので、本書を読んだあと、すぐに読みなくなる本が増えること請け合いです。
・なお、内容的には以前紹介した本と重複するところも多いので、そちらも合わせてご参照ください。
(参考)『ビジネスマンのためのクオリティ・リーディング』(三輪裕範)は必読の読書論

I hope you like it.

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