つばめ投資顧問の「顧問」に就任

2012年の不動産投資の「大失敗」を記録する

この記事は約4分で読めます。

かなり個人的なこと、かつ、失敗談なのでブログに書くか書くまいか少し迷ったのですが、個人的な記録としての意味と同じ様なことを検討している方への参考として、敢えて公開したいと思います。(旧ブログで書いた記事の再紹介)

読んだ方からは、「なんてバカなことしているんだろう~」「お金の無駄使い」「どんなリスク感覚してんだ!」といった声が聞こえてきそうです。

1 経緯

  • まず、私はそもそも「不動産好き」でありまして、自宅も自己所有。お金がふんだんにあれば、あるだけ自分が住む家にはお金を使いたい性質です。(実際にはそうではないので、身分相応の物件に住んでいますが。)
  • 今の職場でいつまで勤務できるか分からないし、早晩、別の職場(給料は下がる)で働くことになる可能性が高い身としては、サラリーが少なくなってからの安定収入を確保する意味合いから、不動産投資を検討したものです。これに関しては、投資等には興味のない妻も関心を持ち、前向きであったことも影響しました。
  • たまたま、前年に住宅ローンも完済し、リスク許容度が高くなっていた折、都内一等地のコンパクトマンションの広告が目に入り検討を始めました。その物件を知ったのは、東日本大震災後まだそんなに時間が経っていない時期であったと記憶しています。
  • 仕事の面でも、東京暮らしが長く続いており、そろそろ地方勤務となる可能性もあるのではないか、そして、その際には現在住んでいる家を人に貸す、もしくは売却することを前提に、「不動産投資」も悪くないかな、というのが考えていたことです。
  • ところが、勤務先の人事異動では、異動の対象にはなりましたが、引続き東京勤務となり、検討を進めていた不動産投資(購入資金はローンとなりますので「レバレッジ投資」の復活となります。)をどうするか判断する必要に迫られました。
  • 検討にあたっては、不動産投資に関する本もたくさん読み、実際に不動産投資を業として生活している人の話も聞きました。そして、大丈夫かなぁ?とどこか頭に引っかかる部分がありながらも契約の日を迎え、実際の売買契約も終えました。不動産投資ですので、何百万円ではなく何千万円の桁の投資。しかも、ローンを組んでの大きな買い物の意思決定でした。
  • なお、契約を解除したことに伴い、いわゆる手付金を放棄することになり、その分損失となりました。

2 今回断念した理由

  • 契約した後で 冷静になって考えました。「本当に大丈夫か?」「後で後悔しないか?」「リスクとリターンは見合っているか?」etc.
  • 具体的に私を思い留まらさせた理由を挙げてみます。

(1)震災リスク・原発問題の存在

  • 今更ですが、東日本大震災後も頻発する地震、いまだ全容解明がなされていない放射能汚染の現状・今後の拡大可能性等を考えますと、「日本の不動産を持つ」ということは、2011年の3・11以前に比べ格段にリスクが高まっていることです。

(2)購入価格が割高

  • 不動産の価格は極めて個別性が強く、投資利回りを単純に比較することはできません。私が検討した物件は都心の一等地の駅から徒歩数分に所在。近隣のオフィスに働く方の住まいや事務所兼居宅、あるいはお金持ちの方のセカンドハウス・大学に通う子息の住まい等として使用可能であり、賃貸ニーズも相応に高い物件でした。
  • そのかわり、物件の価格(単価)も非常に高く、当然投資利回りは表面でもひと桁。さらに、ここから管理コスト等を控除された後に残るのが、投資家の取り分になります。
  • 恐らく、極端に割高な物件ではなく、「良い場所にあるから高い」という評価ができたと思います。そう、東日本大震災前までは。(本物件は地震の前に企画されたマンションです。)
  • 冷静に考えますと、3・11以降のリスクの高まりを考えますと、いわゆる投資の世界で言うところの割引率・キャップレートを厳しく考えないといけないと思いました。 

(3)自分自身が住みたいと思えなかった

  • 実はこれも大きな理由です。今は大騒ぎしていますが、懸念された地震や原発問題等のリスクがこれから沈静化し、「収益不動産」としての価値は維持され、リーズナブルな投資であったと評価できる日が来るかもしれません。
  • ですが、私が検討した物件は、自分や妻が老後?に住むのには相応しくありませんでした。(都会が好きな私と田舎好きな妻とは、好みが元々合いませんが。笑。)

(4)売行きが良くなかった

  • また、売れ行きも良くありませんでした。これは本当のところの理由はわからないのですが販売する不動産会社の話では、「近隣の物件との比較では良好な部類」との説明でしたが、私が上記で認識したこと(あるいは、私が知らないリスクが存在するかも)を他の方も相応に感じているのではないか、と自己評価しました。

以上、ダラダラと書きましたが、一言でいえば、取ろうとしているリスクの大きさの割りにリターンが小さい「リスク・リターンが見合わない」ということです。

今回は、主に他人に貸す目的の不動産の話でしたが、自分で住む家をご検討されている方にとっても、これから「日本に不動産を持つ」ことの意味は何度も考えてみることをお薦めします。

I hope you like it.

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この記事を書いた人
エル

50代、4人家族。1991年株式投資を開始。リーマンショックの影響により過去最高の含み損を抱えるも、2009年末に復元。2011年レバレッジ投資(両建て投資)終了。2019年セミリタイア。現在は米国株を中心に運用中。趣味は読書で「積ん読」は数百冊を誇る。音楽や映画鑑賞も好きです。

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