思いつきの企画です。
株式投資において、ある程度(必ずではなく、いつまでもでもなく)役に立つと思われることをメモしておきます。
第1回は「業績予想」について
特に、足元の新型コロナウイルスで先行きが見通しにくい現在の投資環境において、私が収益機会があると考えるものを挙げたいと思います。
典型的な開示(例)
新型コロナウイルスが流行しようとも、企業は事業を継続し、決算時期が来れば決算をまとめる必要があります。金融庁も一部開示時期などに配慮する動きを見せていますが。
上場企業の場合、最後は有価証券報告書を仕上げることになるわけですが、決算公表時に最初に出てくるのが「決算短信」です。今週は小売業の短信が続々と公表されました。
まずは、無印良品を展開する良品計画(7453)の短信から文言をピックアップ。
2020年8月期の連結業績予想(2020年3月1日~2020年8月31日)
新型コロナウィルスの感染拡大に伴う国内外の外出自粛等による消費マインドの低下や、店舗営業時間の短縮や臨時休業等の対応により、業績に大きな影響を及ぼす状況が続いております。このような状況を踏まえ、現時点では業績に与える影響に未確定要因が多いことから2020年8月期の連結業績予想につきましては、合理的に算定することが困難と判断し、未定としております。今後、業績予想が合理的に算定可能となった時点で速やかに公表いたします。
業種により多少「前説明」は変わりますが、各社にほぼ共通するのが
・合理的に算定することが困難と判断し、未定
・今後、業績予想が合理的に算定可能となった時点で速やかに公表
の文言です。
確かに、良品計画は国内だけでなく、中国などでも新型コロナウイルスの感染拡大の影響を大きく受けており、その判断は理解できます。
典型的な株式市場の反応(例)
良品計画ではないですが、業績見通しが「未定」であることをもって、株式が売られるケースが多いように見受けられます。
一定の前提を置いて予想を開示したファーストリテイリングの株価は決算公表後上昇したのに対し、未定としたセブン&アイ・ホールディングスなどは株価が冴えないとの記事です。
(参考)業績予想の有無で日本株に明暗 中国関連に期待感(ロイター)
実際には、(コロナ関係に限定ではないですが)様々な複合要因で株価は形成されているので、このケースが「未定」であることが一番重要だったかどうか断定は難しいのですが、この様な後講釈がされる株価の動きが多いも事実です。
「未定」での下げは「買い!?」
ですので、当面はこの業績見通し「未定」を主因として、株価が下げるのは、私にとってはむしろ「買い」のチャンスが潜んでいると考えています。
ただし、当然の事ながら、各企業の今後の成長性や新型コロナウイルス問題が長引いた場合の経営体力など総合的な判断が必要であることは間違いありません。
なので、短期売買の材料として「活用」することをお勧めします。
業績予想の開示方針に透ける各社の状況・考え・こだわり
上記は主に短期的な株式投資における収益チャンスについてのご紹介でしたが、この新型コロナウイルスの猛威の中で、各社がどのような考えを持って情報開示を投資家に対して行うかは、中長期的な投資を行う上でも示唆に富むと考えます。
当面は5割以上(太宗?)の企業が「未定」でしょうけど
ちなみに、日本企業の中で屈指の収益力を誇るキーエンス(6861)は以前から業績予想は「非開示」(当該項目すらありません)です。味気も何もあったものではありません。
(参考)
・ピークアウト後の憂鬱、業績予想未定で波乱リスク(日経会員向け)
・コロナで業績予想「未定」はインサイダー情報?(時事通信社)
以上です。
今後も「思いついた」時、TIPSをご紹介したいと思います。今回のTIPSの賞味期限は短いでしょう。
I hope you like it.