私が見たところ、お金に絡んでよく「論争」があるものが、3つあります。
まず、最初が「インデックス投資VS.アクティブ投資」論争
次が住宅は「買うのがいいのか、あるいは賃貸がいいのか」論争
そして、今回取り上げる「生活防衛資金」が必要かどうかの議論です。
最初の2つは、今回は一切言及しません。悪しからず。
(参考)投資に回さない「生活防衛資金」は3カ月で十分といえる理由(山崎元のマルチスコープ:ダイヤモンド・オンライン)
まず、この生活防衛資金とはなんぞやというところから、山崎元氏が簡潔にまとめているので、何も知らない方は上記記事を読んでみてください。(以下でもポイントは抜き出していますが)
生活防衛資金の定義
生活費の支出に備えて、投資に回さずに預金などに置いておくお金のことを指す。
必要という人の考え
たぶん、その方の職業の安定性等によっても、考え方が変わってくると思います。公務員の様によほどのことがなければ、解雇されず食べるのに困らない人と、毎月の生活費の捻出は「毎月が勝負」という様な自営業ではお金に対する余裕度と態度が異なってもおかしくありません。
こうした「リスク許容度」の違いはあるにせよ、今回の新型コロナウイルスに端を発する株式市場の大きな下落なんかもあることだし、リスク資産に投資しないお金をある程度多く持っておきたい。という考えです。
心情的には、よく理解出来ます。
ほとんど不要という山崎氏の見解(抜粋)
では、山崎元氏の見解はどうでしょうか。
・半年から1年、さらには2年という意見がある中で、少なめの3カ月でいいと筆者が考えている理由は、投資信託や上場株式等の投資は部分売却が可能で、数日で換金できるからだ。予定外の大きな支出が必要になった場合はちゅうちょなく投資を部分的に解約するといい。お金は使うためにある。
・問題は、例えば自分が保有する投資信託を、そのときの基準価額にこだわらずに部分的に売却することができるかどうかだ。制度や商品としては間違いなくできるし、意思決定としてはそうすることが合理的だ。
・生活防衛資金の規模は、運用対象の換金に関する流動性と支出の変動の大きさ、そして、時々の価格にこだわらずに一部解約できる自分の合理性(性格?)を考えて決めたらいいと思う。
せいぜい3カ月あればいいし、お金が必要になれば必要額分だけリスク資産を売却すればいいじゃん。と仰っています。
エルの考え方
では、私の考えを申し上げましょう。
あくまで「私」がどう考えるかであって、一般論ではないことを最初に断っておきます。私にとっては「生活防衛資金」は過去も現在も未来も必要ありません。
これは、今年の激変したマーケットを経験しても変わりがありません。
何故ならば、必要が生じれば、購入単価に関わらず株式・投信を全く躊躇なく売却できるから。そして、本質的には投資に回さない資金をたくさん保持することは非効率だからです。より直接的に表現すれば(中長期的な)リターンが少なくなるのが嫌なので、原則として常時フルインベストメントとしています。(このフルインベストメントも人により定義が違うようですが)
ただし、毎月の生活に「必要」な資金を常に準備し、クレジットカード決済などに支障がないようにしておくため、普通預金の額をある程度確保はしています。この金額が、生活費1ヵ月分ギリギリということは流石にないので、2〜3カ月相当あるというのが基本です。(結果的に山崎氏の金額と近い)
海外旅行に行ったり、大型家具を買ったりした時は、預金の金額が大きく減少するので、それに合わせて淡々と運用資産の金額で調整する形です。当然、切羽詰まって株式・投信を売却しなくてもいいように、なるべくマーケットの調子が良い時に調整するようにしています。
ちなみに、これは違う観点の話になりますが、毎日マーケットを見ていて「うむ。何となく、そろそろマーケットが崩れそう」と思ったら、一時的に現金ポジションを高めることはあります。(あまり上手に出来ませんが)
なお、山崎氏の記事に出てくる『投資戦略の発想法』(木村剛)と『ウエルス・マネジメント』(ハロルド・エバンスキー)は両方とも読んだことがあります。木村氏の本は、投資歴がある程度ある人でしたら、読んだことがある人多いですよね。
I hope you like it.