サイトアイコン 【L】米国株投資実践日記

株は上がればそれでいいのか

株式投資をする。

むしろ、しばしば「株をやる」という表現が使われます。

まるで、麻薬か麻雀でも「やる」かのような、どこか株式投資に対して卑下する感じが含意されているようです。

もっと、明確に言いましょう。

株式投資は博打と同類扱いなのです。

株式投資で得られるもの

では、改めてこの株式投資について考えてみたいと思います。まず、得られるものは何か

売却益と配当

まず、何と言っても株を安く買い高く売ったときの売却益(キャピタルゲイン)と利益の一部が株主に還元される配当金(インカムゲイン)が得られますね。

株主優待

全ての銘柄ではありませんが、日本株については日本独自の制度である株主優待が得られます。

株主総会に参加できる

また、現物で期末の権利を確保できる時点で株式を保有していたら、ソニーやトヨタなど有名企業の経営者が生で話をするのを聞くことができます。場合によっては、直接質問や意見をぶつけるチャンスもあるかもしれません。

経済や産業動向に強くなる

株式投資を始めると、否が応でも、毎日の株価や企業業績が気になります。注目銘柄の決算、中央銀行の動向など経済ニュースに目を通すようになり、自ずと経済の知識が身につきます。

ビジネスに活かせる

株式投資によって、経済動向などに詳しくなれば、社内外の人との会話のレベルアップにより、一目を置く存在になれるかもしれません。また、投資先の決算状況はもちろんのこと、中期経営計画などについても触れる機会が増えるので、経営者目線でビジネスを見ることができるようになります。

感情のコントロールが身につくかも

株式投資をある程度経験すると誰もが実感すると思いますが、株式投資というのは極めてメンタルな要素も重要です。激しい値動きに動揺して株を手放したり、必要以上のリスクを取ってしまい夜も眠れなくなったり、過去の成功や失敗の経験にいつまでも影響を受けたり・・・。このようなことから距離を置いて冷静な判断ができるようにならないと株式投資の成功は難しいので、長く続けている間に感情をコントロールすることが可能になるかもしれません。

株は上がればそれでいいのか

ここからが本題です。

では、株式に投資して儲けれることが出来れば、それだけでいいのか?

そんなことを考えてみました。

まず、株式投資をすれば上記の一番上に書いた経済的なメリット(キャピタル・ゲイン、インカムゲイン)が得られます。このメリットが最大であることを否定する人はまずいないでしょう。私ももちろん、儲けることが株式投資の一番の目的です。

以下、私が考える株式投資の意義を述べたいと思います。

リスクマネーの供給

企業が資金調達する方法には、株式発行以外にも銀行借入(社債の発行も)があります。この銀行借入については、期限に利息と共に必ず返済をしなくてはなりません。銀行への返済を約定通り行えて初めて株主へも配当還元が可能となります。

つまり、株主は銀行などの債権者に比べて劣後(分配は最後)するわけです。これだけでも、株式投資はリスクがありますよね。だって、金融機関のように担保を取ることも出来ないのですから。

しかも、株式は値段が常に変動します。特に、企業業績や経済の見通しが芳しくないときには、短期間で大きく下げることがあります。今回の新型コロナウイルスに端を発した下げ相場では、外食産業や観光・旅行関連銘柄を中心に、「あり得ない」水準まで一時株価が叩き売られるところが多くありました。

不思議なもので、株式以外の商品は安くなると買い手が増えるのが経済原則ですが、株価が一定の水準を超えて下げ始めると、「こんなに株価が安いのには、何か理由があるに違いない」という疑心暗鬼を生み、悪い方向にスパイラルします。そうなると、株を売りたい人が皆、売り払うまで底無し沼のようになることがあります。

そして、株価は信用力のバロメーターとして一般的に見られていることから、低株価が原因で商取引に支障(例えば、仕入れの条件が悪くなる)が生じたり、金融機関の融資姿勢が厳しくなったりすることがあります。

ここで、勇敢な株式投資家の出番があるのです。

世の中の多くの人が悲観的になっている正にそのとき、売りが出ている株に独自の判断で「救いの買い」の一手を差し伸べるのです。

もちろん、この投資には一定のリスクが伴います。

でも、そのリスクを負った報酬は、その後の大きなキャピタル・ゲインとして見返りがあるというわけです。

先日の投稿で登場した銘柄を再掲しておきます。

証券コード 銘柄名 購入単価(円) 時価(5/25終値) 上昇率(%)
3694 オプティム 2,253 2,940 30.5
3923 ラクス 1,804 2,312 28.2
3969 エイトレッド 1,543 2,112 36.9
4926 太陽ホールディングス 4,109 4,955 20.6
6571 キュービーネットホールディングス 1,657 2,231 34.6
7453 良品計画 1,064 1,570 47.6
7564 ワークマン 6,642 8,660 30.4
9616 共立メンテナンス 2,280 3,565 56.4
2157 コシダカ 329 496 50.8
9603 エイチ・アイ・エス 1,244 2,080 67.2

理容店(キュービーネットホールディングス)、小売(良品計画、ワークマン)、ホテル(共立メンテナンス)、カラオケ(コシダカ)、旅行業(エイチ・アイ・エス)など、まさに一番打撃を受けた局面で、「俺が買ってやる」とばかりに投資をしたから、短期的(全て3月以降の投資)に大きな株価上昇のリターンが得られました。

私にとっては、キャピタル・ゲインですが、これらの企業にとっても私のような買いを入れる投資家たちが本当に出てこなければ、ひょっとすると信用不安から経営破綻・・・というような展開だってあってもおかしくないわけです。つまり、双方にとってウイン・ウインということですね。(上記の企業群はそこまで懸念ないところです:念のため)

ちなみに、似たようなことは、3月の米国株でもありました。詳細の説明は割愛しますが、石油株などで上記に近い取引状況となっています。

その企業のビジネスの社会的な意義も考慮

そして、理想論かも知れませんが、投資先の事業の内容が現代の社会が抱える問題の解決に貢献しているところの方が、より「投資してみたい」と思います。

このあたりは、独立系投信会社・鎌倉投信が設定・運用する「結い2101」では、まず最初にここから投資先を探していますね。

昨今、ESG(環境・社会・ガバナンス)投資だの、SGDsだの言われていますけども、本来、社会から強く求められている企業は利用者・消費者から支持が集まり、ビジネスも上手く回っていくはずなんですけどね。

・・・・・

あまり長く書いても、最後まで読んでもらえないので、このあたりで終えておきます。

I hope you like it.

モバイルバージョンを終了