【使用2年レビュー】B&W 805 D4 ─ 信頼と発見の詰まった音の“中核”

オーディオの世界では、スピーカーが“音の出口”である以上、システムの性格を決定づける存在だとよく言われます。

私のシステムにおいて、その“中核”を担っているのが──

Bowers & Wilkins(B&W)805 D4。

導入から2年。今も変わらず、いや、ますます深く付き合っていけるスピーカーであると確信しています。

目次

小型とは思えぬスケールと密度感

805 D4は、いわゆる「ブックシェルフ型」に分類されるコンパクトスピーカー。

しかし、初めて音を出したとき、そのサイズからは想像できない空間の広がりと音の濃さに驚かされました。

特にB&W伝統のダイヤモンド・ドーム・ツイーターと、新設計のソリッドボディ・ツイーターハウジングの組み合わせは、高域の伸びと、描写力の高さを両立。

金属的な冷たさはなく、むしろ“精妙な熱”を帯びた音色が広がります。

低域も、必要十分な量感とレスポンスがあり、適切なアンプと組み合わせれば、小音量でもしっかりと厚みを感じられるのがこのスピーカーの魅力です。

ロックもジャズも、音楽が“生きた情報”として鳴る

私がよく聴くジャンルは、ロックとジャズ。

805 D4は、どちらに対しても「情報を正確に出しつつ、躍動感と抑揚を失わない」という絶妙なバランスを見せてくれます。

・ロックでは、ギターの粒立ちやベースの芯の太さが絶妙。ボーカルのエネルギー感もダイレクト。

・ジャズでは、ブラシの柔らかさ、ウッドベースの木質感、サックスの胴鳴りまで実に豊かに描き出す。

「正確でクールな音」と言われることもあるB&Wですが、805 D4は冷静でありながら血が通っている。

音楽ジャンルを問わず、演奏者の緊張感や温度感がしっかりと伝わるところに、このモデルの本質があると感じています。

システム構成とセッティングで応える懐の深さ

805 D4は非常に解像度が高いスピーカーであるがゆえに、アンプやソース、ケーブルの変化に敏感です。

これはある意味、上流のクオリティを露わにする“リトマス紙”のような存在でもあります。

私もこの2年で、アンプやプレーヤーをアップグレードしながら、

「805 D4が“もっといい音を出せる余地”を持っている」ことに気づかされてきました。

今では、EsotericのK-05XDを新たに導入し、さらなる表現力が開花。

ラックスマンやアキュフェーズといった国産高級アンプとの組み合わせも相性が良く、

「どんな方向に進んでも応えてくれる懐の深さ」を改めて実感しています。

総評:2年経っても飽きない、いや「もっと聴きたくなる」

オーディオにおいて、導入直後に感じた感動が時間と共に薄れてしまう──というのはよくある話です。

しかし805 D4は違いました。付き合えば付き合うほど、音楽の深部に手が届くようになる。

それは、“音質の良さ”ではなく、“再生芸術の力”を持つスピーカーだからなのかもしれません。

「何かを変えたい」と思ったとき、それはこのスピーカーではなく、周辺機器をアップグレードしたくなる。

そんな風にして、私のオーディオシステムの“軸”として、この2年間を共に過ごしてきました。

これからも、私の音楽体験の中心に居続けてくれると確信しています。

I hope you like it.

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