最近、投資人口の増加や内外の株式市場の好調さを背景として、「いつの間にか億り人」になっている人が増えている等の論調で「億り人」(資産1億円以上)のインフレ化?が進んでいる様にメディアの記事を見ていると感じます。
確かに、数年前に比べて、これだけマーケットの調子が良いと数の上では増えていることは間違いないでしょう。
アメリカの実情
先日、『THE WEALYH LADDER 富の階段』という本をご紹介しました。
(参考)推薦本『THE WEALTH LADDER 富の階段』
これは、2025年7月にアメリカで刊行され、たちまちニューヨーク・タイムズベストセラーとなった書籍の邦訳版です。
本書では、アメリカの資産階層を6つのレベルに区分け
・レベル1:低所得者階級(資産1万ドル未満)
・レベル2:労働者階級(資産1万ドル以上〜10万ドル未満)
・レベル3:中流階級(資産10万ドル以上〜100万ドル未満)
・レベル4:上流中流階級(資産100万ドル以上〜1000万ドル未満)
・レベル5:上流階級(資産1000万ドル以上〜1億ドル未満)
・レベル6:超富裕層(資産1億ドル以上)
著者はこれらの「富の階段」に応じて、以下の「自由」があるとしています。
・レベル1:余裕なし
・レベル2:食料品の自由
・レベル3:レストランの自由
・レベル4:旅行の自由
・レベル5:住居の自由
・レベル6:影響力の自由
上記の通り、現代の為替レート(1ドル155円前後)ですと、1億円だとレベル3、約1.5億円以上でレベル4相当になります。
私が注目したのが、各レベルの世帯年齢の中央値等です。50%パーセンタイル年齢、つまり中央値は以下の通りだそうです。
・レベル1:42
・レベル2:44
・レベル3:54
・レベル4:62
・レベル5:64
・レベル6:66
アメリカにおいても、階層のレベルとしては3に集中しており、例えば、一つ上の100万ドル以上有するレベル4については、20代では僅か1%、30代では5%、40代でも14%しかないいません。50代22%、60代25%、70歳以上23%となっています。
日本より高収入が多く資産家も多いアメリカにおいても、100万ドル以上の資産を有する人の多くは、高齢になってからというのが実情ということが分かりました。
私のレベル
私は40代後半に億り人になり、51歳で退職しましたが、現在「レベル4」にあります。そして、本書でも強調されていますが、このレベルから上にはなかなか到達するのが難しいと実際のデータを用いて検証していました。
実際、私の周りの投資クラスターに関しても、数億円レベルの投資家には、割と会いますが、10億円以上の人は殆ど会ったことがありませんし、ましてやレベル6は上場企業の創業者等でないと日本では到達することが難しいでしょう。
本書、他にも興味深い内容が随所にありますので、お勧めです。

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ニック・マジューリ/児島 修 ダイヤモンド社 2025年11月13日頃
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