新しさという罠。手元にあるモノの方が、圧倒的に「打率」が高い

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はじめに

私たちは、何かと「新しいもの」に飛びつきがちです。 本屋に行けば「話題の新刊」が目に入り、サブスクを開けば「今週の新作」がポップアップし、SNSを覗けば「新しいスポットや出会い」がキラキラと輝いています。

新しいものは確かに刺激的です。しかし、ふと立ち止まって考えてみてください。 「新しく手に入れるもの」と「すでに持っているもの」、本当に価値が高いのはどちらでしょうか?

実は、すでに手元にあるものの方が、新しく買うものよりも圧倒的に自分を幸せにしてくれる可能性(打率)が高いのです。

……などと偉そうなことを書いていますが、実はこれ、新しい本を買いすぎて「積読(つんどく)」が増え続け、少々困っている自分自身に向けて書いている記事でもあります(笑)。

今回は、私自身のそんな反省と、「本棚」や「CD棚」の実例を交えながら、手元にあるものの価値についてお話しします。

本棚の「数十年選手」は、エリート中のエリート

まずは、自宅の本棚です。

そこにある本たちは、私がこれまでの数十年という長い読書歴の中で、何度も引っ越しや部屋の片付けを乗り越え、「それでも手放さない」と決めて残り続けてきた本ばかりです。

新しく本屋で買う本は、まだ本当に面白いかどうか分かりません(時にはハズレを引くこともあります)。 しかし、何十年もの審査をパスして本棚に残り続けている本は、自分にとっての「エリート中のエリート」です。

いま必要なのは、話題の新刊を闇雲に追うことではなく、その本棚から1冊を抜き取り、「再読」することかもしれません。かつて感動した言葉に、年齢を重ねた今だからこそ気づく、新しい深みや発見があるはずです。

「音楽ポートフォリオ」をブラッシュアップする

音楽についても、全く同じことが言えます。

私の部屋のCD収容棚には、CDがこの世に誕生した頃からコレクションを開始した厳選された約800枚のCDがあります。 サブスクで何千万曲に瞬時にアクセスできる時代ですが、この800枚は、私がこれまでの人生の様々なシーンで、一枚一枚に向き合って集めてきた宝物です。

実は、この「800枚」という容量に抑えるために、私はあるルールを課しています。 新しく1枚買う場合には、あまり聴かなくなった作品を処分する。

そうして常に棚の中身を入れ替え、自分だけの「音楽ポートフォリオ」をブラッシュアップし続けているのです。

こうして研ぎ澄まされた800枚ですから、そこにあるのは「一級品」しかありません。新しく適当に流行りの曲を聴くよりも、その棚から1枚を選び、じっくりと音に耳を傾ける。その方が、音楽としての「効用」や心の満たされ方は、間違いなく高いと言えます。

私たちはすでに、自分だけの「最高の名盤コレクション」を完成させ、磨き上げているのです。

モノだけではない「人間関係」の熟成

この「すでにある厳選されたものを大切にする」という法則は、モノに限った話ではありません。私たちの「人間関係」にもそっくりそのまま当てはまります。

いたずらに新しい交友関係を広げようと、新しいコミュニティに顔を出すのも悪いことではありません。しかし、限られた人生の時間を投資すべきなのは、本当にそこでしょうか。

  • 昔からの友人
  • 自分の良いところも悪いところも知ってくれている仲間

彼らと過ごす時間や、お互いを大切に思う気持ちの方が、新しく知り合ったばかりの浅い付き合いよりも、私たちの人生を遥かに豊かにしてくれます。人間関係も、新しい出会いを開拓するより、「いまある関係を深く耕し、大切にする」方が、人生の幸福度を高めてくれるはずです。

おわりに:足元にある宝物に気づくこと

私たちが求める「最高の体験」や「豊かな人生」のヒントは、常に新しいものの向こう側ではなく、すでに手元にあるもの、築いてきたものの中にあります。

闇雲に新しいモノや情報を追いかけるのを一回お休みして、

  • 本棚から懐かしい1冊を取り出して再読してみる
  • 磨き上げたポートフォリオから、お気に入りのCDをじっくり聴いてみる
  • 昔からの友人に、ちょっとした連絡を入れてみる

そんな「すでにある極上の豊かさ」を存分に味わう時間を、過ごしてみませんか?

よし、まずは私も、新刊を買う手を止めて、本棚のエリートたちを読み返すことから始めます。

I hope you like it.

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