投資、中でも株式投資に関して、当たり前だけど、意外とできていない基本的なことについて今日は書いてみたいと思います。
何事も基本が大切という話です。
理解できる先に投資する
株式投資と一口に言っても、実際に投資できる先は日本株だけに限っても何千もあります。ソニーやトヨタといった誰でも社名は知っている会社から始まって、時価総額が日本の中でトヨタに次ぐ2位の座をソニーと競っているキーエンスのように、株式市場ではとても評価は高いけど、一体全体何をやっている会社か一般の人はあまり知らない会社もあります。
この様に無数に投資対象はあるわけですが、大事なことは「社名」ではなく、投資先の「事業内容」を理解することです。どんな先を相手を顧客に持っているのか、何で儲けているのか、景気の影響を受けやすいのか、ライバルは多いのか、市場でのシェアは大きいのか、過去どの様な歴史を辿ってきたのか、など投資対象のことをどの程度理解しているでしょうか?
この投資先の「理解」が重要なのは、初めて投資するときだけではありません。
投資した後、株価が必ずしも好調ではなく、特に市場全体が大きく下げた時などにつられて株価が下げた際に、株式を保有し続けるためにも鍵となるからです。
しっかりとしたビジネスの基盤のある会社に投資する
そして、単に投資先を理解したらそれで良いかといったら、もちろん、それだけではダメです。投資する会社が過去に連続してしっかりと業績をあげている先に絞ることです。
なんだ、そんなこと当たり前じゃないか!
という方もおられるかもしれません。でも、実際にはメディアが大きく取り上げた銘柄、株価が急上昇している銘柄に「飛び乗る」が如く投資する人が後を絶たないのです。
そして、この「過去実績」は過去3年とか短い期間ではなく、できれば10年以上の期間について、簡単でも調べてみることが必要です。10年あれば、大体、景気サイクルも回りちょっとした経済ショックみたいなものが、その間起こっている可能性が高く、そこでその会社の業績がどの様に推移したかを確認できるからです。
理想を言えば、10年以上の連続した期間において、一度も赤字になっておらず、なるべく売上高や利益が成長している会社が良いです。そして、決算で操作(「お化粧」)の余地のある利益だけでなくキャッシュ・フローをしっかりと把握することが肝要です。
一定の分散投資を行う
さらに、もう一つ大事なことがあります。それは、特定少数の銘柄に投資するのはなく、ある程度業種も分散させた上で複数の銘柄に投資することです。
いくら投資先のことを理解し、その会社のビジネスの基盤がたとえ盤石だったとしても、全ての会社の業績・株価がいつも右肩上がりとは限りません。
そんなとき、複数の銘柄に分散投資することで、一度に「大きくやられる」ことを回避できるのです。
この「一定」の部分については、10銘柄がいいのか、もう少し絞って5銘柄がいいのか、あるいは30銘柄がいいのかどうかは、突き詰めていけば理論的な説もありますが、私としては一概には言えないと考えています。
その投資家の経験やリスク許容度、投資先に関する分析力の深さなど千差万別だからです。
経験が長く能力が高いのであれば、5銘柄に絞ってみることも「可能」かもしれませんが、その結果(良くも悪くも)を享受するのは自分です。
だから、第三者がどこまで分散を進めるかについては、とやかく言えませんが、私自身は現在の年齢や既に持っている資産の額などを勘案して、インデックス投資ほど分散はさせないものの、米国株30銘柄、日本株40銘柄程度に分散投資しています。(日本株については、毎月、資金繰りのため売却する必要があり、そのため細かくしている部分もあります)
以上、3点申し上げました。
どれも「基本」となることですが、この「基本」を飛ばして、さらに重要なことがそうあるわけではありません。もちろん、実際の投資にあたっては、例えば、その株価が収益などに比べて妥当であるかどうかなどを吟味しますが、株価の割安度よりも先に上記のことの方が「大事」なのです。
上記は「基本」ですから、私も応用技(例えば、設立間もないベンチャーに少額投資)も使いますが、初心者もベテランも全ての投資家に当てはまる大切なことだと断言できます。
↓手前味噌になりますが、拙著にはこうした大事な基本について書いたつもりです。
I hope you like it.