株式に投資することで得られるものとしては、株価上昇によるキャピタル・ゲインや、配当が個人投資家にとって主なものですが、その他には株主優待を得たり、株主総会に参加して、質疑に参加する権利も得られます。
私は株主優待目的で、わざわざ期末だけ株式を保有したりすることはありませんが、この株主総会に参加する権利については、いつも意識していています。
参加した企業
今回、総会に会場でリアル参加したのは、以下の8社です。
東京エレクトロン
リクルートホールディングス
ディスコ
日立
東京海上ホールディングス
味の素
テルモ
信越化学
簡単に覚えている範囲で、印象に残ったことを簡記します。
<東京エレクトロン>
半導体製造装置国内最大手。ビデオによる当社事業内容等の説明がとても分かりやすく、出席した株主に対して、会社としてよく理解してもらいたいという気持ちが伝わるものであった。
<リクルートホールディングス>
株主総会の議長を当社出木場CEOではなく、峯岸会長が務めていることにつき、違和感があり、元CEOではなく現CEOの出木場氏の話を聞くためにに会場にわざわざやってきたのだ、という株主
これに対して、議長を誰が務めるかは、各社各様であり、特に法律に決まりがあるのではなく、当社のルールで行なっているとの説明。実際、今回参加した8社に限っても様々な運営があった
なお、多岐に及ぶ当社事業内容に関して、もう少し映像等を活用して説明する時間を設けた方がベター
<日立>
日本を代表する大企業らしく、役員の数が多い。役員には外国人も多く、かつ当該役員が受け答えする場面も多かった。議長自身が説明するのは少なく、担当役員に割り振るスタイル
<ディスコ>
半導体製造装置大手。日立とは対照的に、株主からの質問に対しては、関家CEOが一人で全て回答。株主からは、当社の強みやその持続力などに関して質問があったが、揺るぎない自信を感じる答弁内容
会社が従業員に毎年行っているいわゆるストレステストにおいて、一番ストレスが少ないのが、一番残業が多い社員であるとの説明。ただの残業減らしの働き方改革の会社とは違う
<東京海上ホールディングス>
当社子会社含めた保険各社で発生した不祥事(保険料調整行為、いわゆる保険カルテル)について、質す株主多数。かなりの時間をここに割いた。リスクをマネジメントするのが当社の役割であるが、各種自然災害等のリスクをコントロールするため、活動する拠点や引き受ける保険内容の分散を進めている
なお、南海トラフや東京直下型地震が生じた際の当社B/S及びP/Lに与えるインパクトについて質問するべく何度も手を挙げるも、時間切れ
<味の素>
総合食品大手だが、知る人ぞ知る半導体関連企業。古くからの株主で、どうして、味の素が半導体に関係する事業を行なっているのか?といった質問があったが、当社が古くから研究・開発する発酵技術基盤があくまでベースになって、それが食品だけでなく、医薬や半導体材料にも活かされているとの説明
藤江社長中心に、誠実かつ丁寧に受け答え。その説明ぶりに、当社の安定感を感じた
<テルモ>
カテーテルなど医療器具大手。質疑の時間が短く、総会を早く切り上げたいという運営サイドの考えを感じる運営内容。この総会運営であれば、次回は不参加決定
3月末まで7年CEOを務めた佐藤氏が最後に退任の挨拶。同じ会社のCEOでも、かなりカラーが異なる
<信越化学>
主力の塩ビについて、中国が安値で販売しているが、大丈夫かといった質問、半導体関連企業として、シリコンサイクルについての質問(他社でも類似あり)あり
株主からも指摘があったが、高齢の役員が多く、いわゆるダイバーシティの面では見劣りを感じた
その他
最近では、株主総会はインターネットでも配信される様になりましたが、やはり、会場に足を運び、リアルで役員の受け答え、株主の様子を知るのは貴重な機会だと再認識した一連の総会出席でした
個別では書きませんでしたが、元社員の株主が会社運営について批判を述べたり、動物愛護団体が動物実験の例外なき中止を求めたり、会社側にとって厳しい内容の質問もある一方、特に配当に関して、単純に増配を求めたり、発行済株数の違いがある他社と1株当たり配当を単純に比較する等の幼稚な株主も複数おり、株主の理解度の差も感じる結果となりました
株主総会で会社の体質等を肌感覚で知っておくことは、長期投資を成功させるために役立つと思いますので、読者も参加してみては
I hope you like it.