サイトアイコン 【L】米国株投資実践日記

楽天証券 サービス開始20周年記念投資セミナー に参加しました。

品川で10月5日開催された楽天証券のセミナーに参加しました。

楽天証券は、私は前身の「ディーエルジェイディレクト・エスエフジー証券」時代からのお付き合い。もう20年にもなるのですね。

株式取引の委託売買手数料は、自由化される前は例えば100万円の株式を買うためには、どこの証券会社で買っても手数料が11,500円かかりました。

それが、今は楽天証券の場合で、わずか487円(超割コース:税別)と激安となっています。

最近、投資を始めた人は、今の水準が当たり前なので何も感じないでしょうが、私の様に自由化前から投資を続けている者からすると、羨ましい限りです。(投信の信託報酬の低減も同様)

では、珍しく最初から最後まで参加した今回の記念すべきセミナーで印象に残った点をメモしておきます。(あくまで、内容のごく一部です。意訳もありますので、ご了承ください)

令和元年を迎えた日本経済の行方 竹中平蔵 氏

・最初の登壇は、本セミナーに何度も登壇している竹中氏(慶應義塾大学名誉教授)。小泉政権時代の閣僚経験者です。
・1800兆円ある個人金融資産の運用利回りが1%高くなるだけで、18兆円になる。これは消費税5%に相当
・安倍政権の今回の9回目の組閣は色々と考えられたもの。このままいくと、明治時代の桂太郎内閣を超える過去最長の9年の政権となる。伝わってくる情報を総合すると今のところ、安倍さんは4期はやる考えはない模様で、今回が最後の組閣となる可能性が高い。個人的に親しい人を複数入閣させ、また、次の首相候補を全て入閣させている。
・過去の世界の歴史の中で実は「昭和」は世界一長く続いた元号。「激動」の昭和、「激変」の平成に続き、令和は「激震?」となろう。(ピンチとチャンスが混在)
・平成元年と令和元年を比べて。この間、人口はアメリカは30%、英国は15%増加したのに対し、日本は殆ど変化せず(増えたのち減少)。これは、国と国の間の「人材(人財)」獲得競争に関するスタンスの違いだ。
・日本の労働時間は20%減った。かつて、貯蓄率が高い国だったが、今は世界で最も低い部類になっている。
・また、あまり意識されていないが、平成の後半に「東京の都市開発」が相当進んだ。東京内でのゾーン間の競争が魅力的な都市を生み出し、世界における都市の競争力ランキングにおいても、ロンドン、NYに次いで3位となっている。
・時代の変化に法律が追いついていないと言われるが、実は現在日本には2266もの法律がある。平成の頃は1000だったが、世の中の変化(例えば、個人情報保護など)に対応して激増。それでも、まだまだ足りない。
・今度の臨時国会では15本の法律が審議される予定。注目。
・現在「第4次産業革命」の真っ最中。これからは、AI、ロボット(ドローン含む)、IOT、ビッグデータ、シェアリング・エコノミーへの対応がカギを握る。
・10年後、約4割の仕事がなくなると言われている。でも、全ての仕事がなくなるわけではなく、人間がやるべき仕事(クリエイティブ仕事など)は残る。ピンチである一方で、生産性アップのチャンス
・都市空間の運営もビッグデータを活用する時代。ドイツは全ての車にGPSを装備するようになり、高速道路の料金所を無くした。一方で、個人情報の保護が課題。
・IR(統合型リゾート)とスーパーシティーへの対応は、ビッグチャンス

令和時代の日本株投資戦略 窪田真之 氏

・長く日本株ファンドマネジャーの経験を有し、楽天入社後、現在は経済研究所のチーフ・ストラテジストを務める。
・昭和と令和では成長モデルが変化。モノが不足する昭和では、モノの大量生産が成長ビジネスだったが、令和では良質なサービスが恒常的に不足。医療・介護・保育・防犯・防災・コンサル・・・などの良質なサービスを安価に大量供給する企業が成長する。
・日本株のPER:1973年は13倍。バブルのピーク1989年に60倍となり、現在は再び13倍へ
・景気後退期の今は日本株は「買い場」。これから、2020年の世界景気回復を織り込んでいく。半導体は2020年にブームが復活すると予想。
・グロース株は当たり外れが大きく、バリュー株をポートフォリオの核にしたい。中でも、時価総額が大きく、かつ配当利回りが高い銘柄の投資魅力が高い。
・ラージ100(時価総額の上位100社)の中で、例えば、JT、三菱UFJ、三菱商事、NTTドコモなどを推奨

いま中国で何が起こっているのか:習近平政権、米中貿易戦争、香港情勢 加藤嘉一 氏

・中国通として有名な香港大学アジアグローバル研究所兼任准教授が登壇。(昼食で中座したので一部のみ聴講)
・米中関係は今後とも「振り子」の状態が続くというのが結論。2020年11月の米国大統領選挙を控え、トランプ氏の方が歩み寄りたいだろう。
・揺れ動く香港情勢。かなり厳しい状態だが、世界の中で香港は中国へのアクセスの窓口となっており、中国もこの重要性は十分理解。なので、人民解放軍の投入はかなり可能性が低い。

生産性の向上について〜人口減少×高齢化に打ち勝つ企業の生産性向上戦略〜 デービッド・アトキンソン 氏

・日本のインバウンド戦略への提言などで「売れっ子」のアトキンソン氏。かつて、ゴールドマン・サックスで銀行担当アナリストの経歴を持つ。現在は小西美術工藝社の代表として、日本の文化財の維持・承継に従事。
・「概念」と「計算機」:日本の識者・経営者から私の発言に対して、いやそれは違うと色々と言われるが、その多くは「概念」でものを言っており「言葉遊び」「頭の中だけ」での話となっている。「計算機」を使って、ちゃんと数字を確認すれば、自ずと答えは出る。
・「自動車離れ」「テレビ離れ」など「なになに離れ」が言われるが、それは離れているのではなくて、日本の人口が減少して需要が減っているのに過ぎない。
・インバウンド(海外から日本への旅行)は過去5年で4倍になった。観光客数は世界26位から8位に躍進。これは、観光資源は変わらない中で、しつかりと戦略を講じたことによる賜物
・日本の生産性は世界で28位。これはイタリア・スペイン並。低いということはポテンシャルがある。
・低い生産性の理由を分解すると、全要素生産性が低い。中でも「entrepreneurship」(アントレナーシップ)が弱い。要は経営者が馬鹿ということ
・日本の生産性が低い理由を研究してきて、昨年ようやく原因が判明。一番の理由は、中小企業で働く人の割合が多いこと。ちなみに、アメリカはこれが世界で一番低い。日本も昔から中小企業比率が高かったわけではなく、1963年に中小企業基本法が成立してから、急速に当該割合が高まった。
・最低賃金を上げて(日本は英国の6割の水準)、中小企業の数を減らす(合併で)ことが生産性向上の解。これに反対するのが、商工会議所。なぜなら、企業数が減ると経営者の数が減るから。

七転び八起きの投資術〜株式投資は続けたもん勝ち〜 藤野英人・杉原杏璃 氏

・別のブースの米国株関係のコマとハシゴしたので、一部のみ聴講。ひふみ投信を運用する藤野氏とタレントで個人投資家でもある杉原氏(グラビアアイドル)の対談
・日本の若い人のスポーツ界での活躍が目立つが、実は企業経営においても若いベンチャー経営者「企業版 大谷翔平」が最近非常に増えている。2040年ごろになれば、日本の株式市場の顔ぶれ(時価総額の上位の意味と解した)も変わるのではないか(藤野氏)
・建築業界など古い業界で、ITを上手に取り入れた企業があり注目(杉原氏)
・以前から考えていた世界株のアクティブファンド「ひふみワールド」を立ち上げた。企業の経営者に会い、目先の数字ではなくビジネスの深いところまで把握して投資すれば、十分勝機があるとみた。ひふみ投信を立ち上げた時と同様の考えだ。先日、フィリピンを訪問した際、日本にもそんなファンドがあるのかと驚かれた。彼らが言うには、日本人は4Lなのに珍しいと。何かと言うと、「4L」とはLook Listen Learn Leave:視察し、話を聞き、学ぶだけで、(投資の実行や決定を行わずに)帰っていく)との略語。

2019年後半に向けての米国経済・株式相場の見通し 堀古英司 氏

・モーニングサテライトなどでお馴染み、楽天証券セミナーの常連のホリコ・キャピタル・マネジメントの堀古氏が登壇。
・日本で話題となった「老後2000万円問題」。米国では4%ルールというのがある。老後の年間の支出額を0.04で割ってやると用意すべき資産額がわかるもの。これから判断すると、この2000万円という金額自体には特段違和感ないが、人により千差万別なのは言うまでもない。
・日本の公的年金は積立方式ではなく、若い人が高齢者を支える賦課方式。別に賦課方式が悪いわけではないが、日本の様な人口が減少していく社会では持たないの明らか。年金は「史上最大の投資詐欺」。
・しばしば、投資は「長期」「積立」そして「分散」と言われる。しかし、最後の「分散」には疑念。投資には明らかにリスクリターンがおかしな商品が増えており、今やマーケットの4割がマイナス金利の債券なんかが該当。
・投資の世界では、経済評論家などが色々な難しい予測をするが当たり外れ大きい。そうした難しい分析は不要。株価の上昇に必要なものは経済成長。人口が増加するところは、経済が成長する。短期的には必ずしも当てはまらないが、中長期的には数々の論文でも証明されている。アメリカ株が有望。
・米国のいわゆる「ミレミアム世代」(現在25歳前後)は、ベビーブーマー世代よりも人口が多い。彼らが、消費旺盛な働き盛り(41〜45歳)になるまでの間、アメリカ経済の堅調推移が見込まれる。
・対照的な日米の政策:アメリカは、30年ぶりの大税制改革、2019/7からの利下げ(→ドル高抑制)、規制緩和(規制を1つ作る場合は2つ廃止するルールを導入)、貿易交渉など、経済を拡大する政策。
・一方、日本は配偶者控除、消費増税、2020年の所得増税(給与所得控除の減少)、物価目標の達成時期の削除など経済にアゲインストな政策ばかり。
・アメリカ株はそろそろバブル化があってもおかしくない。(2〜3年後か?)
・アメリカ株の過去のPERのレンジは概ね15〜20倍。現在は16倍程度だが、最近は15倍に近い水準が多い。前回の金融危機以降、メディアが株価にネガティブなことばかり書くこともあり、投資家の期待がなかなか上昇しないが、景気は良いのに低金利など株価が上昇する条件が揃っていることから、そろそろ「高PER」の時代が到来してもおかしくない。
・8月に初めて「パッシブな運用資金」>「アクティブな運用資金」のマーケットとなった。パッシブは銘柄の割高・割安を何も考えずに投資する。
・2020年の大統領選挙の勝率(予想)は、今のところ共和党のトランプが42%、そして、これに次ぐのが民主党のウォーレン氏(24%)となっているが、ウォーレン氏は富裕層課税の強化など極端な左寄りの政策を打ち出しており、過去の選挙の結果から判断すれば勝ち目はないのではないか。トランプはとにかく「公約を守る」大統領というイメージが浸透しており、これから選挙本番にかけて減税を打ち出してくるだろう。
・そろそろ「バブルに備えた戦略」が必要:始まる前にしっかりと買っておく。安易に利食わない。高いPER株も上がる。空売りは踏み上げに注意
・推奨銘柄は「FAMGA」:FB、AMZN、MSFT、GOOGL、BABA。共通しているのは、メディアに叩かれており、見込まれる利益成長比で割安なこと

最後に一言

・竹中氏の話は政治から経済まで、幅広い話題を時間ドンピシャで終える講演は「流石」の一言。「竹中けしからん」という人がいるのは承知していますが、私はフラットに傾聴に値すると思います。
・窪田氏の推奨銘柄の中に、私が多額を投じているJTがありました。私も今の局面・株価水準等総合的に考えて「投資妙味」があると考えて投資しているわけですが、バリュー株投資が得意な元ファンドマネジャーとも意見が合うということですね。
・アトキンソンさんは日本語がお上手でした。今、かなりの売れっ子ですから、講演を生で、しかもタダで聴けたのはラッキーでした。
・米中の争いも、来年にかけて、そろそろ、一旦の手打ち(完全決着ではない)があるでしょうし、確かに堀古氏が言う「バブリにGO」が案外始まる可能性も念頭に入れて、ポートフォリオ運営を行なって行きます。
・皆様の投資の参考に、少しでもなれば幸いです。

I hope you like it.

2年前、堀古氏はこんなことを言ってました。

楽天証券 投資セミナー 堀古英司氏の講演を聴講
今日は両国国技館において、私のメインで利用する楽天証券のサービス開始18周年記念投資セミナーが開催されました。 私は旧ディーエルジェイダイレクト・エスエフジー証券の時代、平成16年に口座開設して以来取引しています。 さて、プログラムは竹中平...
モバイルバージョンを終了