『株式投資』(ジェレミー・シーゲル)は株式投資の基本図書

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今日は過去に読んだ投資本の中から、良書をピップアップしてご紹介しましょう。(しばらく、同様の記事が続きます)

今回は個人投資家の間で、特にインデックス投資家の間で支持者の多いジェレミー・シーゲルの『株式投資』を取り上げます。

私がシーゲルのこの本の翻訳を読んだのは、原著第2版をもとにダイジェストで翻訳され、『シーゲル博士の株式長期投資のすすめ』(日本短波放送、1997年7月)のタイトルで出された本が最初です。

今回は日経から2009年に出された翻訳をベースに書評を書きます。(読了したのも2009年。かなり昔です。)前回のダイジェスト版に比べページ数は約2倍(P405)となっており、全くの「別物」です。

ここがポイント

長期投資では、あらゆる金融資産の中で間違いなく株式の利回りが最も高く、インフレを考慮した場合には債券の利回りよりもはるかに確実で予想しやすい。過去200年間のアメリカのデータでは、インフレ調整済み株式利回りは6.8%で、これはほぼ10年ごとに株式ポートフォリオの購買力は2倍になることを意味する。

・株式利回りは短期よりも長期のほうがはるかに安定しており、投資家の保有期間が長くなるほど、総資産のより多くの割合を株式に投資すべき。(P34でリスク許容度別の「ポートフォリオ配分における株式の推奨割合」が紹介されており、リスク容認派は保有期間が30年であれば116%、また、リスク選好派では10年でも110%株式に投資することが適当と書かれています。本書を読んだだけではリスク許容度の定義ははっきりしませんが、100%以上ということは借入をして投資をするということです。)

・株式ポートフォリオの大部分は、国際分散した低コストの株式指数ファンドに投資すべき。国際投資におけるセクター別分散は、今後、国別分散よりも盛んになる。

・セクターの市場シェアの変化(成長率)は、投資家の利回りの増減と必ずしも相関しない。これは、個別企業の時価総額の変化だけでなく、企業の数の変化を反映するからである。急成長するセクターはしばしば、投資家に非常に高い株価を支払わせようとするため、このことが利回りの低下をもたらす。

・過去にダウ工業株平均が1日に5%以上変動した日の原因を検証すると、重大な政治・経済ニュースに関連づけられるのは全体の4分の1にも満たない。株価の動きを予測することは困難

・投資には他の人間行動とは決定的な違いがある。たいていの分野では、ほかの人が何時間も練習し技術を磨いた仕事について、素人が平均以上にうまくやれるチャンスはまったくない。けれども株式市場では、まったく練習しなくても、誰でも平均的な投資家と同じようにうまくやることができる

・長期投資家として成功することは、理論的には容易(分散された株式ポートフォリオを保有し続けるだけ)であるが、現実にはわれわれはさまざまな感情に影響されるので、実行するのは容易ではない。ポートフォリオを予定どおり運用するための確固たるルールを確立することが必要。

最後に監訳者(林康史氏)あとがきから引用します。

かつて、『ウォール街のランダム・ウォーカー』が(株式)投資に携わる者の必読書と聞き、釈然としなかったことがある。(略)シーゲルの『株式投資』は私自身の考え方が間違っていないと改めて確信させてくれるもので、これこそ株式投資のテキストだと思った。

学術書ばかりでなく、実用書を含めても、本書ほど、一般の個人投資家に具体的な指針を示している書籍は少ないのではなかろうか。(略)本書にヒントを見いだせない人は、自らが投資には向いていないのではないか疑ってみるべきかもしれない。

なお、シーゲルは本書の続編となる『株式投資の未来』において、インデックス・ファンドで実現できる以上のリターンを目指す戦略を示すなど、少し考え方が変わっています。まだ読んでいない方は『株式投資の未来』(米国個別株投資家はこちらをより推薦→参考:『株式投資の未来』(ジェレミー・シーゲル)は外国株投資家の必読書)とあわせて読むことをおすすめします。

両書とも、改訂版の出版を期待します。

I hope you like it.