つばめ投資顧問の「顧問」に就任

2018年160冊読んだ中から厳選した25冊

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毎年恒例の特集記事です。(遅くなりました)

2017年(参考:2017年157冊読んだ中で、満足度の高い本)と同様、カテゴリーごとにエルの満足度が高かった本を「厳選」しました。

昨年は前年並みの160冊読了しました。

【ノンフィクション・歴史】

まず最初はノンフィクションや日本の歴史に関係する本の中から。

昨年の夏は日本の戦後史について、少しだけですが勉強しました。本書は「戦後」になった今も厳然と存在し、日米関係を強く規定している「日米合同委員会」について、まとめた力作となっています。正直、こうした事実を知れば知るほど、あまりの酷さに唖然として嫌気もするでしょうが、日本と米国の関係を正常な二国の関係に是正していくには、まずは現状を知る必要があります。

本書のタイトルに「知ってはいけない」とあるのは、内容があまりにショックな内容なので、既に一定の年齢に達した余生が少ない人はいっそのこと知らないまま死んでいった方が良いとの意味を込めているとのこと。でも、真に受けないでください。知ってください、知るべき、知らないと恥!という極めて重要な日本の「現実」が書かれています。
日本と米国との間の関係が嫌になるほど、よくわかります。『戦後史の正体』とセットで読むと理解が深まります。

松下電器(現在のパナソニック)を創業した松下幸之助。昭和を代表する経営者として、あまりにも有名ですが、その生涯や人物像、経営手腕について、ご存知でしょうか?
ご年配の方であれば、これまで1冊くらいは松下氏に関する本を読んだことがあると思いますが(えっ!読んだことがないってー)、若い方にとっては「遠い」存在かもしれません。でも、本書を読めば、なぜ今だに書店の一角に昭和の終わりにいなくなった人物の本が、存在感を保持しているのか、すぐに分かることでしょう。一種の教養として、読んで損がなし。

【自己啓発】

次は範囲が広い自己啓発本の類の中から。若い頃に比べて読まなくなったジャンルですが、なんだかんだ言って読んでいますね。

何年も前にドラッカー本が流行りましたが、私の中では「いつか全て制服してやる!」と思っています。まだ、果たせていないですが、本書をガイドにしてリタイアもしたことだし、時間をかけて有言実行といきたいです。内容は以下の記事をご参照ください。

2018年の自己啓発「ドラッカー本」を制覇します。
エルは読者家として、リアルの場では通っておりまして、たまに勉強会の類で仲間が集まった時に、「こちらの●●さん(エルの本名)は、1年に300冊も本を読む人です。例えばドラッカーの本なんかは全て読んでいます」とか言って、紹介されることがあります...

本書はイソップ物語や中国古典までの古今東西で語り継がれてきた寓話を77つ集め、その解説をするという「ありふれた構成」の本です。本のコンセプト自体はありふれていますが、著者の視点や編集が良いのか、短い文章の中に「深い」ものを感じることができます。派手さはないですが、本書が1冊本棚にあれば、折に触れて再読したくなる本になるでしょう。

書店やアマゾンではよく見かけていたのですが、ただの一過性の売れ筋と早合点してスルーしていた本です。手にとってみると、著者はなんと日本におけるブログ黎明期の代表的なブロガー中島聡氏ではないですか。彼のブログ「Life is beautiful」は有名で、2005年にブログを始めた私にとって、憧れの「アルファブロガー」の一人でした。ですが、一般的には「Windows95の父」としての方が有名なのかもしれません。本書のジャンルとしては、仕事の能率を上げるためのノウハウ本の類に分類されると思いますが、マイクロソフト本社で活躍した日本人は、何が他の人と違うのか興味深く読むことが出来ました。オススメです。

最後は一般教養を高める本です。AI、トランプ政権と民主主義のゆくえ、グローバリゼーション、シンギュラリティ、気候変動など多岐にわたる話題について、ノーム・チョムスキー、レイ・カーツワイル、マーティン・ウルフなど5人がインタビューに答える形で私見を述べ、それをまとめたものとなっています。どの話題も「絶対の回答」はありませんが、刺激を受けること請合。

【キャリア】

次は仕事に関係する本の中から2冊。

最初は、ズバリ「仕事」や「働くこと」の意味について、真面目に考えたい時に最適な本をチョイスしました。著者は様々なことに深い見識をお持ちの寺島実郎氏。若者向けに書かれていますが、おっさん(おばさん)にとっても、得るところがあるはずです。

これは、多くの書店の店頭の目立つところにあったので、手に取り中身を確認し購入したものです。
実際に「使える」本だと評価しました。おいおい、コメントそれだけかよ(笑)。

【経済・経営】

今度は経済や経営に関連した書籍です。このジャンルはたくさん読んでいるのでセレクトも多くなりました。

日本の80年代後半中心のバブルの歴史が、その時代の登場人物とともに詳しく書かれたもの。自分では「知ったつもり」だった事件の「裏」を知ることが出来ました。日本のバブルについて学ぶことは一種の教養と言えるでしょう。

アマゾン本を一挙3冊ご紹介。アマゾンに関して書かれた本として、おすすめ本の筆頭に挙げられるのは『ジェフ・ベゾス 果てなき野望』ですが、本書はこの本を読んだ様なアマゾン好きやアマゾンの株式を保有している人に特におすすめです。一言で言えば、私たちが現在普段目にしているアマゾン・ドット・コムはその全貌の一部でしかなく、その姿はこれからもどんどん変化していくことが腹落ちする本でした。

やはり『ジェフ・ベゾス 果てなき野望』を読んだ後で読んで欲しいのが、2001年のアマゾンの日本法人立ち上げにも参画した方が書いたこの本です。改めてアマゾンの物流を中心とした「凄さ・競争力の源泉」を知る事が出来ました。amazon株主は必読です。

やっぱり今の時代はAmazon.comの動向、一挙手一投足が気になりますよね。私はアマゾンの大株主(嘘、単に一番多く投資している先です)なので、特に気にしなくても情報が目に飛び込んできますが、やはり本という形で情報を仕入れるのは効率的です。本書は元マイクロソフトの日本法人の代表を務めていた成毛氏が、フラットに「アマゾンの今」をまとめています。アマゾン株主はもちろん、そうでない方もビジネスマンなら読んで損はないでしょう。本書PRのイベントで経営者の方が多く購入されていると成毛氏が言ってました。

世界的に知られる小売コンサルタントの方が著者。タイトルは「小売再生」と再生の文字がついていますが、このタイトルにとらわれずに、今の(欧米の)小売業界を取り巻く環境や主要企業(ウォルマート、ホームデポ、アマゾン等)の立ち位置がよくわかります。

日本たばこ産業といえば、旧「日本専売公社」を流れを汲む「古い」「親方日の丸」体質の会社をイメージする人も多いと思います。でも、実際の「JT」は経営陣は「若く」、事業展開は「グローバル」で日本籍の実質外国企業みたいな会社でした。JT株主で本書を読んでいない人はいないですよね?

「アジアの時代」と言われるようになって久しいですが、地理的に近い韓国などに比べ、日本から遠く離れたインドに関しては日頃入手できる情報も限定的な感じがします。本書は、ソニー・インディア・ソフトウェア・センターの責任者としてバンガロールに約7年駐在した著者が、今やシリコンバレーを追い抜かんとする勢いのインドIT産業の現状をリアルに描いています。欧米各社の「インド・シフト」は想像以上でした。オススメです。

オンデーズという眼鏡チェーンの誕生から7年間の波乱万丈の経営の軌跡(奇跡!)に基づいたフィクションです。どこまでが事実で、どこがフィクションなのかはわかりませんが、そんなの抜きに毎ページがハラハラドキドキ、興奮の連続。滅多に出現しない星5つの評価を本書に贈ります。

『新・観光立国論』など、日本への外国人観光客の流入(インバウンド)に関する数々の提言などで、今や「売れっ子」と言っても過言ではないのが、デービッド・アトキンソン氏です。日本の金融機関の不良債権問題について早くから警鐘を鳴らしていた元著名金融アナリストらしい論理的な分析が光る一冊です。

【健康本】

私も、身体には普通に気をつけています。なので、健康本の類も定評あるものには、なるべく目を通しています。本書は、ネットでの書評や身近な友人等の評価も高かったので読んだものです。統計的(データ的)に正しいと思われるものイコール自分にとって良い食事とは必ずしもならないでしょうが、明らかに悪いものは知っておいて損はないでしょう。

【投資本】

いよいよ最後は投資本です。投資ブログですからね(笑)。

いわゆる「バリュー投資」について書かれた本です。ウォーレン・バフェットにも通じる個別株投資のノウハウが凝縮されており、別途、個別の投稿で取り上げようと思っていました(出来ていないですが・・・)。とにかく、お勧めです。

マネー誌が「20世紀最高のストックピッカー(銘柄選択者)」と称えた投資家の考え方を学べる本です。著者自らが書いた本ではありませんが、それでも十分読了に値します。「悲観の極み」の投資を極めたい貴方にオススメ!

著者は個人投資家で有名な方でマネー誌で定期連載もある方です。私も投資歴だけはかれこれ30年近くになりましたが、投資本を読んだ数も相当量になります。こうした投資本の中には、実際に「使えない」本も多いですが、本書は「なるほど、なるほど」と首肯できる良書でした。個別株に投資されている方であれば、損はしないと思います。(最低、頭の整理にはなるはずです。)

最近はメディアへの露出が減りましたが、かつてモーサテの常連であったファンドマネージャーが、現在の投資信託を取り巻く状況に「辛口」の一撃を投じた一冊。特に興味深いと思ったのは、アクティブファンドに「ベンチマーク」を設定するのはナンセンスという箇所。ベンチマークが個人向けのファンドに1990年代半ばごろ導入されたきっかけは、ファンドマネージャーの人事評価を相場の状況に関わりなく、公平に評価するために導入されたもので、決して受益者本位の導入ではなかったという点。ベンチマークが導入されたため、アクティブ運用の肝とも言えるアセット・アロケーションの機動的な変更が捨てられ、基本的に常にフル・インベストメントを目指すようになってしまったと。約350ページと分厚く中身の濃い一冊です。

今書店では、個人型確定拠出年金に関する本がわんさか溢れています。そんな数ある類書の中で、本書は「とにかくわかりやすい」本でした。しかも、日本に確定拠出年金が導入された初期の頃から、導入に尽力してきた著者だけあって「痒いところに手が届いた」見逃しがちなポイントも盛り込まれていました。読了後の満足度は星5つを付与。

最近、以前に比べると投資本を読むのは減ったのですが(そして関心も米国株にある)、主に日本株を念頭において書かれた投資本がこれです。身近な存在である会社四季報を使ったテンバーガーが狙える銘柄の探し方など、「なるほど」と思えるノウハウ満載です。

以上です。全部で25冊ご紹介しました。皆様の読書ライフの充実に少し役立てば幸いです。

I hope you like it.

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この記事を書いた人
エル

50代、4人家族。1991年株式投資を開始。リーマンショックの影響により過去最高の含み損を抱えるも、2009年末に復元。2011年レバレッジ投資(両建て投資)終了。2019年セミリタイア。現在は米国株を中心に運用中。趣味は読書で「積ん読」は数百冊を誇る。音楽や映画鑑賞も好きです。

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