セミリタイア5年目の2023年を総括

全世界株式投資について物申す

この記事は約4分で読めます。

最近(と言っても数年前からですが)、日本で人気の米国株式投資ですが、インデックス投資を信奉する人の間では、これと並んで、もしくはより人気があるのが「全世界株式」への投資です。

特定の地域を選んで投資するのではなく「選ばない」「丸ごと」投資です。

投資家により、100人いたら100通りの考え方があってもいいのですが、人気の傾向はこの

・全世界株式派
・米国株式派

の2つに大きく分かれるように見受けられます。

(なお、別にアンケート取ったわけではないですからね)

そんなに「分散」はいいのか?

好調なことが多い米国株式ではなく、世界株式を選好する人のその理由の大きなものに、米国株式単独よりも「分散」がより効いているというものがあります。

果たして、そんなに分散は大事ですか?

以下は誰でも簡単にリアルタイムのデータが取れるバンガードのVOO(S&P500に連動)とVT(全世界株)のデータをYahooファイナンス(米国)からパフォーマンスとシャープレシオの実績を取ってきたものです。

なお、データの引用は4/2(金)の米国株式市場が休場だった関係で4/1の終値ベースとなります。

単位:%VTVOO
YTD2.441.72
1M2.672.77
3M7.505.53
1Y30.7930.98
3Y10.6914.08
5Y14.6816.79
10Y9.1413.38

ご覧になればわかる通り、2021年の年初来(YTD)から始まって期間の短いところは、全世界株式の方が米国株式よりもパフォーマンスがいいですね。

でも、期間が3年、5年、10年と長期になると、どれも米国株式に軍配が上がります。それも、少しの違いではありません。10年のパフォーマンス(年率)において、4%以上も差があると複利運用での差はとんでもない差となります。

10年前に「全世界株式」に投入して運用してきた人と、米国株式の主たる指数であるS&P500連動で投資してきた人の資産形成額は相当の差になってしまったのです。

では、リスクを勘案した数値(シャープレシオ)はどの様な状況でしょうか。これも、米国株式単独の方が良いのです。

VTVOO
3Y0.570.73
5Y0.911.03
10Y0.650.95

シャープレシオとは投資信託を選ぶときの指標の一つです。 米国の経済学者のウィリアム・シャープ氏が考案したことから、その名がつきました。 投資のリスク(価格変動)の大きさに比べてどれだけリターン(収益率)を得られるか、運用効率の高さを示します。

この数値が大きいほど

=「リスクの割にリターンが大きい」
=「効率よくリターンを上げている」
=「運用成績が優れている」
ことを示します。
(参考)シャープレシオ(効率係数)(大和アセットマネジメント)

このシャープレシオは、特に突飛なものではなく、ごく普通の投資信託の販売資料などにも記載されている、極めて一般的なものですが、全世界株が米国株に全ての期間において負けているのです。

あれ、分散したらリスクが下がったりして、いいことがあるんじゃなかったの?

反論にお答えします

上記の様なことを書くと、予想される意見は

・10年間は短い。もっと、長期で比較されるべきだ
・この10年間はたまたま米国株式が調子がいい時だった。いつも、米国株式が調子がいいと限らない。

といった反論が、おそらく代表的なご意見になろうかと思います。

はい。

まず、参照データについて

では、超長期のデータを類似でもいいので、調べて適当なものがあれば教えてください。適当な内容でしたら、記事に追記なり修正なりいたしますので

次に

米国株がいつもいいとは限らないじゃないか!については「仰る通り」です。

確かに、例えば過去にはリーマンショック前、資源高などにより先導された新興国株高などあり、米国株のパフォーマンスが劣後する期間はありました。ただ、あの様な新興国株の株価がグングン上昇した時期こそ、結局は長続きしない一時的な現象ではなかったのではないですか?

結局、可能性の議論をすると、米国株の停滞期は必ずあるという結論になります。

でも、VTにも投資していたことがある私の「体感」から言っても、投資範囲を世界に拡げても、リスクは下がらないし、運用パフォーマンスはむしろ悪い時期の方が多い感じであり、実際そのことが上記データ(10年のシャープレシオ)からも言えるのです。

しかし、これから世界がどう変貌していくのかわからない、全世界株に投資していくのは、そのリスクのヘッジだ!という考えも理解できます。

私は現在のところ、米国株中心に投資することが「一番いい」と思いますが、将来、全世界株に投資(シフト)する可能性もないわけではありません。

でも、仮にそうする場合であっても、もっと明らかに運用パフォーマンスやシャープレシオの「実績」が米国株よりも改善してからになると思います。

さて、それはいつのことになるのでしょうか?

I hope you like it.

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この記事を書いた人
エル

50代、4人家族。1991年株式投資を開始。リーマンショックの影響により過去最高の含み損を抱えるも、2009年末に復元。2011年レバレッジ投資(両建て投資)終了。2019年セミリタイア。現在は米国株を中心に運用中。趣味は読書で「積ん読」は数百冊を誇る。音楽や映画鑑賞も好きです。

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