一つ前の記事(4月の資産)で書いた通り、4月の米国株市場の主要な指数の騰落率は以下の通り、下落しました。
NYダウ:-4.9%
S&P500:-8.8%
ナスダック(総合):-13.3%
比較的、大型で伝統企業が多く含まれるダウは約5%の下落にとどまったものの、最も意識すべきS&P500でも9%近い下落。そして、特にやられが大きかったのが、ハイテク・新興企業が多く含まれるナスダックでした。
1月から4月までの4ヵ月のパフォーマンスの悪さは記録的
上記4月単月だけでも、米国株式としては相応に悪い月だったのですが、主に海外の方から伝わってくるのが、年初来の成績の悪さです。
S&P500は先週3.3%下落しましたが、年初からの4カ月では13%下落し1939年以来最悪。一方、NYダウは先週2.5%安で2022年になってから9.2%下落。さらにそれより悪いのがナスダックで先週3.9%急落し年初の4カ月の下落率は21%となり、これは1971年まで遡れるこの指数では最悪とのことです。
普段、単月や1年のパフォーマンスはよく話題にのぼりますが、やや中途半端な4ヵ月間の数字が話題になるのは、それだけ悪いということですね。
日本の投資家は助かった
上記は、例えば、アメリカ人が自国の証券会社を通して米国株のインデックス投信に投資していたら、これに連動した資産の目減りになっていることを意味します。
しかし、幸いなことに、日本人の場合(日本から為替ヘッジせず投資している前提)では、少し違った風景になっているはずです。
理由はこの間、円安・ドル高が進行したからです。
米国株の下落の一部はドル高が埋め合わせしてくれました。
例えば、人気のインデックス投信であるeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の基準価額は
19,204円(2021/12/30)
↓
18,798円(2022/5/2)
と僅か2.1%の下落にとどまっています。
投信は個別株に比べて、時価の反映が遅れることを考慮して、昨年末ではなく1/4の基準価額(19,291円)と比較した場合でも2.6%下落と大きな差はありません。
為替は読めない
ただし、この結果は「たまたま」こうなったという位に捉えておきましょう。日米の金融政策の違いなど、現在はドルが円に比べて強い展開が続いていますが、いつ、反転するかは分かりません。
1年後は、これまでとは逆に米国株は上昇したけど、円高が進行して株高のメリットが失われてしまうことだってあり得るのです。
一般的に、株式投資は成功していない人の目からすれば、とても難しいものに映るようですが、少なくとも企業という経済主体がベースとなる株式と違って、単なる通貨の交換であるFX(為替取引)はゼロサムの世界です。
一部の天才を除いて、為替の方向性を理由として、特定の国に賭けたりするのはよしましょう。
I hope you like it.