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金融庁レポート「高齢社会における資産形成・管理」

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エントリー「金融資産5000万円 50歳と30歳では「意味が違う」」で話題となっていたのでリンクだけ貼っておいた金融庁レポート「高齢社会における資産形成・管理」ですが、大きな騒ぎとなっています。挙げ句の果てに麻生金融相が「正式な報告書として受け取らない」と金融庁に対して事実上の撤回を求める考えを明らかにしました。

日本経済新聞電子版

麻生さんが、公的年金制度を巡る表現に関して「政府の政策スタンスとも異なる」とも述べたとのことですが、どこがどうおかしいのか再度確認しました。

高齢社会における資産形成・管理」(金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書 令和元年6月3日) →消される可能性があるので、要保存ですぞ

以下、全部で51ページある報告書のうち、今回議論になった点に関係のありそうな箇所を中心に抜粋して引用し、最後に一言だけコメントを加えます。なお、ブログでは一部しか引用しませんが、ぜひ流し読みでもいいので「全文」一読することを推奨します。

目次

目次
1.現状整理(高齢社会を取り巻く環境変化) 3
(1)人口動態等 ………………………………………………. 3
ア.長寿化 ……………………………………………….. 3
イ.単身世帯等の増加 ………………………………………. 4
ウ.認知症の人の増加 ………………………………………. 6
(2)収入・支出の状況 …………………………………………. 8
ア.平均的収入・支出 ………………………………………. 8
イ.就労状況 …………………………………………….. 10
ウ.退職金給付の状況 ……………………………………… 13
(3)金融資産の保有状況 ………………………………………. 15
(4)金融環境に対する意識 …………………………………….. 18
2.基本的な視点及び考え方 …………………………………….. 21
(1)長寿化に伴い、資産寿命を延ばすことが必要 …………………… 21
(2)ライフスタイル等の多様化により個々人のニーズは様々 …………..23
(3)公的年金の受給に加えた生活水準を上げるための行動 …………….24
(4)認知・判断能力の低下は誰にでも起こりうる …………………… 24
3.考えられる対応 ……………………………………………. 25
(1)個々人にとっての資産の形成・管理での心構え …………………. 25
(2)金融サービスのあり方 …………………………………….. 26
(3)環境整備 ……………………………………………….. 29
ア.資産形成・資産承継制度の充実 ……………………………29
イ.金融リテラシーの向上 ………………………………….. 32
ウ.アドバイザーの充実 ……………………………………. 33
エ.高齢顧客保護のあり方 ………………………………….. 34
おわりに…………………………………………………….. 35
【付属文書1】高齢社会における資産の形成・管理での心構え …………..37
【付属文書2】高齢社会における金融サービスのあり方 ……………….. 44

収入・支出の状況

平均的収入・支出

 わが国では、バブル崩壊以降、「失われた 20 年」とも呼ばれる景気停滞 の中、賃金も長く伸び悩んできた。年齢層別に見ても、時系列で見ても、 高齢の世帯を含む各世代の収入は全体的に低下傾向となっている。公的年金の水準については、今後調整されていくことが見込まれているとともに、税・保険料の負担も年々増加しており、少子高齢化を踏まえると、今後も この傾向は一層強まることが見込まれる。
 支出もほぼ収入と連動しており、過去と比較して大きく伸びていない。年齢層別に見ると、30 代半ばから 50 代にかけて、過去と比較して低下が 顕著であり、65 歳以上においては、過去と比較してほぼ横ばいの傾向が見られる。
 60代以上の支出を詳しく見てみると、現役期と比べて、2~3割程度減少しており、これは時系列で見ても同様である。
 しかし、収入も年金給付に移行するなどで減少しているため、高齢夫婦無職世帯の平均的な姿で見ると、毎月の赤字額は約5万円となっている。この毎月の赤字額は自身が保有する金融資産より補填することとなる。

退職金給付の状況

 

わが国に根付いてきた賃金制度として、退職給付制度がある。かつては 退職金と年金給付の二つをベースに老後生活を営むことが一般的であったと考えられるが、公的年金とともに老後生活を支えてきた退職金給付額は近年減少してきている。この退職金の推移について詳しく見ていくと、退職金給付制度がある企業の全体の割合は徐々に低下をしており、2018年で約80%となっている。この割合は企業規模が小さくなるにつれて小さくなる。
 また、定年退職者の退職給付額を見ると、平均で 1,700 万円~2,000万円程度となっており、ピーク時から約3~4割程度減少している。
 今後見込まれる雇用の流動化の広がりを踏まえると、退職金制度の採用企業数や退職給付額の減少傾向が続く可能性がある。退職金制度の有無、その給付金額は退職後の生活に大きな影響を及ぼしうるため、自身の退職金の見込みや動向については、早い段階からよく確認しておく必要がある。
退職金を受け取った後に関するアンケート調査によれば、4人に1人が投資に振り向けており、また、投資に振り向けた人の半数弱は退職金の1~3割を投資に回している。
他方で、退職金の給付額を把握した時期について、約3割が「退職金を受け取るまで知らなかった」、約2割が「定年退職半年以内」と回答している。
 退職金の金額の大きさを踏まえると資産運用に回す金額は多額であると言えることから、こうした投資を行う際には、運用方針や資産運用にあたって必要な金融に関する知識を、事前にある程度は身につけてから臨むことが望ましいと言える。

金融資産の保有状況

 

金融資産の保有状況は各人により様々であることから、平均的な姿をもって一概に述べることは難しい面があるが、全体的な傾向として、若年層よりもシニア層の方が全体に占める金融資産の保有割合が高く、この傾向は今後も続く見込みである。また、若年層は住宅ローンなどの負債を比較的多く抱えている。
 老後の生活においては年金などの収入で足らざる部分は、当然保有する金融資産から取り崩していくこととなる。65 歳時点に おける金融資産の平均保有状況は、夫婦世帯、単身男性、単身女性のそれぞれで、2,252万円、1,552万円、1,506万円となっている。なお、住宅ローン等の負債を抱えている者もおり、そうした場合はネットの金融資産で見ることが重要である。
(2)で述べた収入と支出の差である不足額約5万円が毎月発生する場合 には、20 年で約 1,300 万円、30 年で約 2,000 万円の取崩しが必要になる。

基本的な視点及び考え方

 

以上が高齢社会を取り巻く環境変化についての現状整理であるが、ここから、高齢社会における金融サービスに関して、個々人及び金融サービス提供者の双方が共に認識することが望ましい事項が導き出されるのではないかと 考えられる。以下、その事項について述べる。

(1)長寿化に伴い、資産寿命を延ばすことが必要
 前述のとおり、夫 65歳以上、妻 60歳以上の夫婦のみの無職の世帯では 毎月の不足額の平均は約5万円であり、まだ 20~30 年の人生があるとすれ ば、不足額の総額は単純計算で 1,300 万円~2,000 万円になる。この金額は あくまで平均の不足額から導きだしたものであり、不足額は各々の収入・支出の状況やライフスタイル等によって大きく異なる。当然不足しない場合も ありうるが、これまでより長く生きる以上、いずれにせよ今までより多くの お金が必要となり、長く生きることに応じて資産寿命を延ばすことが必要になってくるものと考えられる。重要なことは、長寿化の進展も踏まえて、年 齢別、男女別の平均余命などを参考にしたうえで、老後の生活において公的年金以外で賄わなければいけない金額がどの程度になるか、考えてみることである。それを考え始めた時期が現役期であれば、後で述べる長期・積立・ 分散投資による資産形成の検討を、リタイヤ期前後であれば、自身の就労状 況の見込みや保有している金融資産や退職金などを踏まえて後の資産管理 をどう行っていくかなど、生涯に亘る計画的な長期の資産形成・管理の重要性を認識することが重要である。

(2)ライフスタイル等の多様化により個々人のニーズは様々
 かつて高齢者の世帯形態は親、子、孫という三世代が同居する世帯が多数 を占めていたが、最近では夫婦のみの世帯や単独世帯の割合が増加しており、 三世代が同居する世帯はむしろ少数派となってきている。特に単身世帯の増 加は著しい。働き方も柔軟化し、終身雇用や年功序列といったこれまでの雇 用慣行も変わりつつある。かつて「一億総中流」と呼ばれた日本社会であっ たが、前述のとおり、保有資産や所得等の状況はバラつきが見られるように なってきている。こうした変化は、個々人の行動にも大きく影響を与えてい るものと考えられる。
 このようにライフスタイルが多様化する中では、個々人のニーズは様々で あり、大学卒業、新卒採用、結婚・出産、住宅購入、定年まで一つの会社に勤め上げ、退職後は退職金と年金で収入を賄い、三世帯同居で老後生活を営む、というこれまでの標準的なライフプランというものは多くの者にとって 今後はほとんどあてはまらないかもしれない。今後は自らがどのようなライ フプランを想定するのか、そのライフプランに伴う収支や資産はどの程度になるのか、個々人は自分自身の状況を「見える化」した上で対応を考えていく必要があるといえる。

(3)公的年金の受給に加えた生活水準を上げるための行動
 人口の高齢化という波とともに、少子化という波は中長期的に避けて通れ ない。前述のとおり、近年単身世帯の増加は著しいものがあり、未婚率も上 昇している。公的年金制度が多くの人にとって老後の収入の柱であり続ける ことは間違いないが、少子高齢化により働く世代が中長期的に縮小していくことを踏まえて、年金制度の持続可能性を担保するためにマクロ経済スライ ドによる給付水準の調整が進められることとなっている。こうした状況を踏まえ、今後は年金受給額を含めて自分自身の状況を「見える化」して、自ら の望む生活水準に照らして必要となる資産や収入が足りないと思われるの であれば、各々の状況に応じて、就労継続の模索、自らの支出の再点検・削 減、そして保有する資産を活用した資産形成・運用といった「自助」の充実 を行っていく必要があるといえる。

以上で引用終わり(なお、赤字は管理人が挿入。表は割愛)

管理人コメント

・一言で言えば、レポートで書かれていることは何一つ目新しいことはなく、平均的な高齢夫婦無職世帯が現状収入と支出の差(約5万円)を金融資産を取り崩して穴埋めする現実や、職場の退職金や金融資産の保有状況などをまとめ、さらに、個々人においては、こうした平均値ではなく、自分の状況を「見える化」し「自分ごと」として考えることを期待する内容となっています。
・なお、長くなるので引用しませんでしたが、後半はこうした現状や将来展望を踏まえた政策の方向性や金融サービスのあり方についても言及されています。

本レポートの一体全体どこに問題があるのでしょうか?

I hope you like it.

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この記事を書いた人
エル

50代、4人家族。1991年株式投資を開始。リーマンショックの影響により過去最高の含み損を抱えるも、2009年末に復元。2011年レバレッジ投資(両建て投資)終了。2019年セミリタイア。現在は米国株を中心に運用中。趣味は読書で「積ん読」は数百冊を誇る。音楽や映画鑑賞も好きです。

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