つばめ投資顧問の「顧問」に就任

オリエンタルランド株の投資家が知っておくべき最重要点

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エルです。

先週の株式市場の下降スピードは、なかなか強烈でしたね。

エントリー「波乱の2月のマーケットを踏まえた当面の方針について」の冒頭にメモした通り、日米の株式市場は僅か1週間の間に1割前後下落しました。

ちなみに、日本の株式市場に限定してですが、個別株では
・1週間で30%以上下落した銘柄が200以上
・25%以上下落した銘柄が500以上
・20%以上下落した銘柄は1000以上あったとのことです。

マザーズ市場など新興市場の中小型株に集中投資していたら、しばらく立ち直れないほどの打撃だったと推察されます。

実際、連日、証券会社から保有する投資信託の下落を知らせるレポートが届きましたが、中小型株のアクティブファンドの中には1日で7%を超える下げのものもありました。

私も例外なく下げに見舞われたのですが、その状況は上記リンク記事をご覧ください。

オリエンタルランド(4661)に新規投資

・東京ディズニーランドを運営するオリエンタルランド(OLC)は、個人投資家の間でも人気株ですね。ただ、その人気故にいつも株価は高く、例えば、昨年10月に上場来高値(16,980円)をつけた頃のPERは正確に覚えていませんが、80倍以上あったと思います。私はその頃、「なんでこんなに評価されるのか理解できない。ディズニーが好きだったら、本家本元のウォルト・ディズニー(DIS)株を買えばいいのに」とツイッターでツイートしたものです。

・さて、OLCですが、DISがテーマパーク運営というよりも、放送、映画・ゲーム制作など「総合娯楽」会社となっているのに対して、あくまで「東京ディズニーリゾート」を核として、テーマパークから得る入場料、商業施設での物品販売、隣接するホテル運営が収益源となっています。

・私とOLC株との歴史をメイン証券・楽天証券の取引履歴で確認しても該当ありませんでした。楽天証券は前身のDLJディレクト・SFG証券からの取引(2004年〜)なのですが。でも間違いなく、OLCの株主だったことがあります。何かというと、東京ディズニーシーが2001年9月オープンした際、まさに株主優待で友人と野郎二人ディズニーシーに行った覚えがあるからです。たぶん、当時メインで取引していた野村証券の口座で持っていたのだと思います。それにしても、随分と前ですね。
(参考)東京ディズニーリゾートのあゆみ

・今回私が投資したのは、新型肺炎(コロナウイルス)問題のために、東京ディズニーランドが2週間の臨時休園をプレスリリースする前日。株価は@12,231円で100株投資しました。なお、ディズニーランドの前に、他の娯楽施設で一時休業を発表しているところもあり、予期されたことだったのか発表当日の株価は僅かですが上昇して終えています。

これだけは最低知っておくべきOLCの特性

・では、今回、私が投資に踏み切れたのは何故でしょうか?何分にも、久しぶりの投資なので、改めてOLCのIR資料などをチェックしました。その中でも「あぁ、そうだった。これだ!」というのが、ありました。

<IRプレゼンテーション資料(初コンタクトの機関投資家向け資料)>(リンク切れ)

こちらの資料は、一般の個人投資家向けではなく、金融機関のアナリストなどが当社に接触してきた際、「最初はまずこれを読んでから質問してください」(当社代弁)という位置づけのものです。

この資料には、
・当社沿革と事業内容
・競争優位性
・中期経営計画の進捗状況
・今後の大規模開発プロジェクト
・長期的な成長方針

などが比較的コンパクト(42ページ)にまとまっています。

私も含めて、やりがちなのが短期的な業績を見て投資することですが、本来、その会社のビジネスモデルや中長期的な方針を理解してからでないと長期投資は無理のはずです。特に、2月のような急速な株価下落が起こる際には、これが出来ていないと株式をただ保有しているだけでも怖くなって安値で手放してしまう羽目になりかねません。

入場者に占める外国人割合は1割

本資料(P12)によれば、年間入場者数(3256万人:2018年度実績)に占める海外からの入場者の割合は9.6%でした。最近、インバウンド需要には逆風が吹いていますが、あくまで利用者の太宗は首都圏を中心とする国内利用者であること。そして、海外から日本に来るインバウンド人口の約1割しか取り込めていないというのが当社分析結果となっています。

確かに、海外からの旅行者が減ることは当社にとりマイナス材料ですが、入場制限をかけたり、アトラクションの待ち時間が長すぎることが利用者の不満となっている現状などを考えますと、中長期的には深刻な事態ではないと「私」は考えました。これから、1ヶ月クローズすることとなったとしても、東京ディズニーリゾートが持つ「価値」には一切関係がないからです。

そして、先般、入場料の値上げも発表(参考リンク)しています。1デーパスポート(大人:税込)で7500円から8200円へ約9%の価格改定。根強いデフレ経済の日本にあって、値上げできる企業は株主としては魅力的です。(利用者にはごめんなさい)

OLCの力はCFの創出力に現れる

そして、私が今回改めて重要だと思ったこと。それは、当社のキャッシュ・フローを生み出す力と成長力です。本資料(P19)に1998年度から2018年度にわたる営業利益・営業利益率と、営業キャッシュ・フロー、減価償却額、設備投資額の推移が載っています。

巨大な装置産業故に、投資が嵩む時期の営業利益や利益率は落ち込むこともありますが、償却負担のピークを過ぎると、利益・利益率が改善。何よりも長期的にCFが大きく増大していることが確認できました。

98年度の営業CF=267億円が2018年度には1,285億円まで拡大しています。この大きな資金力を活用して、テーマパークなどの魅力向上のために投資をし、これが入場者数などの増大・入場料アップに結びつき、さらなるCFの増大になるという好循環になっているのですね。

短期的な業績はあまり気にしなくていい

上記のような、東京ディズニーリゾートが持つビジネスの特性を理解するのであれば、そして、もとより、テーマパークとしての魅力が相対的に弱くなることがないとすれば、コロナ問題で多少影響を受けたとして動じることはないでしょう。

なお、日本の株式市場には、OLC以外にも魅力的な投資先はたくさんあります。私は今回当社の株価が相当程度調整されたので投資に踏み切りましたが、足元の株式市場は相当な嵐が吹いていますので、当然、投資に際してはご自身の判断でお願いしますね。

I hope you like it.

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この記事を書いた人
エル

50代、4人家族。1991年株式投資を開始。リーマンショックの影響により過去最高の含み損を抱えるも、2009年末に復元。2011年レバレッジ投資(両建て投資)終了。2019年セミリタイア。現在は米国株を中心に運用中。趣味は読書で「積ん読」は数百冊を誇る。音楽や映画鑑賞も好きです。

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