今日は久しぶりに米国株の投資先のご紹介をしましょう。
「紹介」です。「分析」記事ではないので、念のため
ペロトン・インタラクティブ概況
・本社:ニューヨーク
・創業:2012年
・事業内容:在宅フィットネス
・直近業績:売上高1,825.9百万ドル、当期利益-71.7百万ドル
当社のビジネスモデルなど
・当社はフィットネス用のバイクを販売して、在宅でワークアウトができるというものです。Peloton専用バイクには大型モニターが付いていて、画面に流れる動画を見ながら、家庭でフィットネスを実施します。
・バイクの販売額は約2,200ドル(約24万円)、受講はいわゆるサブクスモデルとなっており、月額39ドル(約4,300円)となっています。
最大の売りはインストラクター
・当社は最初から「在宅」で事業展開をしていたのではなく、ごく普通のジムでした。ただし、薄暗いスタジオに、クラブを思わせる音楽がガンガン流れ、テンション高いインストラクターが場の雰囲気を盛り上げながら一緒にバイクを漕ぐ・・・そんなプログラムが人気を呼び人気のクラスは予約が取れない状況となり、その打開策として「在宅でオンラインで可能なワークアウト」に進化したものです。
スタジオのライブ感
・こうした運動は最初は良くてもなかなか長続きしないものですが、その点Pelotonではユーザーは同じ動画を繰り返し見るのではなく、リアルタイムでワークアウトするパターンと、録画されている動画をストーリミングしながらフィットネスするという二つのパターンが用意されています。
・画面には、同じ時間に、同じプログラムを利用している人の情報が次々と表示され、自分の順位などもリアルタイムでわかる仕組み。
・画面の中央には常にインストラクターの姿がカメラ目線で映っていて、あたかもプライベートレッスンを受けている雰囲気。そして、同時にスタジオでみんなと一緒にワークアウトしている感覚も味わえるという、絶妙なコンテンツとなっています。
垂直統合型のビジネスモデル
・ビジネスの構造は大別して「垂直統合型」と「水平統合型」(水平分業型)があります。後者は例えば製品の核となる部分は自社で製造しますが、それ以外の部分は他社に委ねるというもの。それに対して、当社では「何でも自分でやってしまう」という「垂直統合型」です。
・フィットネスバイクを自社で開発しているのはもちろん、動画コンテンツ・ソフトウエア、バイクに搭載するタブレットに至るまでもが自社開発です。しかも、バイクのユーザー宅への配送も「Peloton」のロゴの入った専用のバンが届け、機材のセットアップから最初の使い方のレクチャーまでやってくれるという徹底ぶりなのです。
「Peloton」というブランドの体験
・これらは「単なるフィットネスバイクの販売」ではなく「Peloton」という新しいブランドの「体験」と言えるでしょう。まるでアップルが洗練されたストアでiPhoneなどを展示・販売している様子に似ていると感じます。
・なお、こうした一連の取組みがユーザーに評価され、顧客推奨度は非常に高く、チャーンレート(解約率)はわずか1%程度というから驚きです。
投資した理由など
私の米国株投資の基本的な考え方は、過去の安定した業績や配当実績がある企業(強い競争力・収益性を持っている)、自分でもよく利用している製品・サービスを手掛けている企業、有名企業で情報が入手しやすい先をメインにしています。
これは、いわば「大原則」ですね。
では、この原則を何が何でも適用しているかというと、そうではなくてある程度の「例外」もむしろ「積極的」に取り入れています。
これは、現在のポートフォリオが「守りに強く、しかも上昇相場にもちゃんとついていく」ことをコンセプトとしている中で、評価の定まった巨大・有名企業ばかりだと、多様性に欠きかえってポートフォリオが弱くなってしまうことを避けるためです。
確かに、私は「Peloton」は利用していないですし、まだ創業から日が浅いので赤字であることから、拙著『英語力・知識ゼロから始める! 【エル式】 米国株投資で1億円』(ダイヤモンド社)でお示しした基準は充足していません。
それでも、上記の通りの事業内容であることから、少額なら投資可能と判断したものです。
当社株については、2020年9月から11月にかけて主に投資、保有単価95.5ドルです。一時、171ドルまで上昇しましたが、新興・グロース株の常で2021年に入って約3割株価は下落(先週末の終値:105.1ドル)。私のポートフォリオの中では今年の年初来の成績が一番悪い米国株式となっています。
ある意味、こういう乱高下は想定した少額投資なので、状況に著変がないことを前提として継続して投資していく予定です。(注:必ず継続することを約するものではありません)
(参考)【米国株】ポートフォリオの5%程度は思いっきりリスクを取る(2020/10/3)
I hope you like it.