『老後不安がなくなる 定年男子の流儀』(大江英樹)は高齢化社会の手引書だ

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経済コラムニストでオフィス・リベルタス代表の大江英樹氏の掲題の本を読了しました。

著者にとって14冊目となる本書が出てすぐに著者から自宅宛「ご恵送」いただき、すぐに読み終わっていましたが、ブログに個別記事(単独)として取り上げるのは初めてです。

『定年楽園』と比較

著者の本はこれ以外にも複数読んでおり、直近ではやはり著者から頂いた本(参考:『1000円からはじめる!お金の増やし方』(大江英樹)は初心者のために書かれた投資信託の教科書)を読んでいますが、個人的には『定年楽園』(きんざい)がマイ・ベストでした。参考→【読書メモ】定年楽園 大江英樹

このため、内容にも似たところがある両書を比較しながら、本書の感想をまとめたいと思います。まずは、目次を並べて比較してみました。(長くてすいません)

<目次>

定年楽園(全308ページ)本書(全239ページ)
はじめにありあり
第1章 歳をとっても働く人が増える

・高齢社会の本当の問題点は・・・

・働く高齢者、問題がいっぱい!

・中高年は、会社でどう働く?

定年を迎える前に知っておきたい
「生き方」「働き方」の現実
コツ01 “老後不安”をなくすためのたった1つの方法とは?
コツ02 『サザエさん』の波平さんって何歳か知ってる?
コツ03 年金はもらい始める年齢によって“お得さ”が変わる!
コツ04 「バットマン」にだけは、なってはいけない!
第2章老後の3つの不安

・不安に感じること、いろいろ

・誰もが感じる「健康の不安」

・実はそれほどでもない「お金の不安」

・最大の不安は「孤独になること」

もう絶対に迷わない
「再雇用」と「転職」のマナーとルール
コツ05 『ライフ・シフト』から考える、人生100年時代の新しい生き方
コツ06 法律と慣習の間で揺れる「再雇用」という現実
コツ07 経験したからこそわかる、気をつけたい再雇用の〝お作法〟
コツ08 意外と身近に転がる「転職」という選択肢
コツ09 「重宝」「気分一新」「白紙」……、転職が持つ意外なメリット
コツ10 誰もが陥りがちな、転職の「こんなはずでは……」
コツ11 60歳を超えたら大切にしたい、2つの重要な「人間の器」
第3章 これだけ知っていればお金の不安はなくなる

・“わからない”ことを“わかる”ようにする

・ホントはいくら必要なのか?

・年金、破綻寸前か?百年安心か?

・退職金と企業年金ってどこが違う?

・知っておきたい6ヶ条

・「支出の見直し」も順序を間違えないように

・え!年金15万円で暮らす?

自由な人生を楽しみたい人のための
「定年起業の」〝傾向〞と〝対策〞
コツ12 実は「若年起業」より、はるかにローリスクな「定年起業」
コツ13 働くペースから引き際まで、自分の人生は自分で決められる!
コツ14 起業をするうえで大切にしたい、たった1つの「きれいごと」
コツ15 “転ばぬ先の杖”となる「やってはいけない」ルールを決める
コツ16 自分の好きにアレンジできるという、定年起業にしかない“特権”を楽しむ
コツ17 「ギブ・アンド・テイク」の関係は、「ギブ・ファースト」からしか始まらない!
コツ18 「資格」とは、足の裏についた〝米粒〟みたいなものと心得る
コツ19 「1つひとつコツコツと」が、人脈づくりへの最短コース
コツ20 自力では絶対にできない「自分の能力の棚卸し」というワナ
コツ21 なぜ「マメさ」を常に意識すると、仕事のストレスから解放されるのか?
コツ22 「お金」「効率」「出し惜しみ」……、意外と知らない仕事の落とし穴
コツ23 実はそれほど困難ではない、自分だけの「ブルーオーシャン戦略」
第4章 60歳からの多様な働き方

・働き方には3つの方法がある

・同じ職場で働き続けるということ

・転職は無理なことではない

・これだけは大切!

“しくじり”から“成功法則”まで
ウソ偽りなしの「60歳起業日記」
コツ24 明確なキャリアプランなき、58歳サラリーマンの漂流
コツ25 会社に残ってわかった「再雇用」の理想と現実
コツ26 退職半年前に襲いかかってきた“バットマン”リターンズ
コツ27 6年前の研修が予告していた、老後の自分の正しい進路
コツ28 やれることとやりたいことを結ぶ、「プリンシプル」をとことん考える
コツ29 クロアチアの城壁にあった、探し求めていた“答え”
コツ30 銀行預金150万円でも、退職後生活は問題なかった
コツ31 1人だからこそ真剣に考えたい、時間と作業のシェアリング
コツ32 “サラリーマン脳”ではわからない、自分の本当の価値を決める正体
コツ33 開き直りが勝利の秘訣、60歳からの“他流試合”
コツ34 “窓際”だからこそハマらない「会社で出世すること」至上主義
コツ35 75万円かけて作った、絶対に自分しか持てない“名刺”
コツ36 シニアだからこそ知っておきたい、自分の可能性と能力の限界
コツ37 超便利だからこそ気をつけたい、SNSのパワーとその限界
コツ38 「徹底した現場主義」で気づいた“効率”よりも“効果”の重要性
コツ39 会社にしがみつくフツーのおじさんが、抱き続けたたった1つのこと
第5章 起業は定年楽園への近道

・不安も不満もなし

・起業に向く人、向かない人

・3つのやること、5つのやらないこと

・誤解しがちな“起業で大切なこと”

・何を決めておくか?

・起業した後も忙しい!

・それでも起業が良い理由

働くことで自然と実現できる
次の世代への“恩返し”
コツ40 70歳リタイア&年金受給開始が、この国の社会保障問題を解決する!
コツ41 近江八幡で目の当たりにした、老後三大不安の一発解消法
コツ42 孔子の時代からずっと変わらない、好きなことを仕事にする意義
コツ43 いよいよ人生が充実する、「林住期」の過ごし方
コツ44 社長を目指さない人のための、「オフィスプレーヤー」思考術
コツ45 起業こそが“定年楽園”への道 ~Stay hungry, stay foolish~
第6章 自分の居場所をつくる・・・とは?

・「定年後の10万時間」のウソ

・趣味を楽しむために必要な5つのこと

・「生涯学習」は最高の贅沢

・それほど簡単ではない地域活動

・「勘違いボランティア」に気をつけよう

・大切な家族・友人とのコミュニケーション

・カギは“自分でやる”ということ

なし
終章 定年楽園への道なし
おわりにありあり

『定年楽園』の概要

本書の中身に入る前に、比較書である『定年楽園』のポイントを終章「定年楽園への道」と「おわりに」の内容から私が重要だと考える部分をまとめますと以下の通りです。
・老後の最も大きな問題は「老後の孤独」
・定年後を楽園にするために一番大切なことは「60歳以降も働き続けること」。ここで働くというのは収入を得るという意味だけでなく、もう少し幅広く「活動する」ということ
・60歳以降も働き続ければ、自分の居場所を作ることができ、心身共に健康を維持しやすくなる。
・定年後を楽園にするためには、事前にある程度の準備が必要。一番大切なことは「自分が何をやりたいか」を考えること。そして、「何でも自分でやる」というスキルを身につけること
・一番言いたいこと、それは「自立」の意識を持つこと。
「自立して何でも自分でやる、そして誰かのためになることをやる」ことによって、思いがけない人とのつながりやまわりからの感謝が生まれ、自分の居場所が自然に確立されていくことになる。

『定年男子の流儀』の内容について

では、本書の中身について、やはり『定年楽園』と比較しながら述べたいと思います。率直に言って、今回両書を再読し内容が似た部分がかなりあると感じました。

先に出版された『定年楽園』は“定年後に楽しく活動できる園”を目指すための準備の書であり、サラリーマンだった人の定年後の仕事や生活全般に関するアドバイスが満載の本でした。著者が勧める定年後の「起業」に関しては第5章「起業は定年楽園への近道」で主に触れられていました。(第6章は仕事以外の生活に関する内容)

一方、本書の第1章から第3章までの内容は、構成等細かい部分は異なりますが『定年楽園』と重なる部分が多かったのですが、ここで私がポイントだと感じたのは以下の部分です。

・働くことをやめたときから「老後」が始まる。「働いている限り老後はない」
・老後の3大不安(健康、お金、孤独)は、働くことによってその多くが解決できる。
・会社を辞めて起業した後、真っ先にすべきことは「自分にできることを他の人に知ってもらうこと」

そして、本書のある意味コアの部分は起業に関して詳述する部分です。具体的には『定年楽園』には書かれていなかった58歳で起業し現在(65歳)に至るまでの著者の全体験をケーススタディとして紹介した第4章 “しくじり”から“成功法則”までウソ偽りなしの「60歳起業日記」がそれに当たります

かなり生々しい話が出てきて興味深い内容でした。→実際に本書を買って読んでください(笑)

最後の第5章「働くことで自然と実現できる次の世代への“恩返し”」も『定年楽園』には無かった内容で、いわば著者からの社会保障問題に対する「提言」です。

労働人口が減少し、増大する社会保障費の問題を抱える我が国において、高齢者が仕事を続け、経済活動に参画することにより、高齢者が支えられるだけの分子(非労働者)から分母(労働者)の存在に居場所を変えることで、年金財政は大きく変わるとしています。

最後に

両書とも、大変素晴らしい内容でした。最後に、本書の中から一言引用して終えたいと思います。

「好きなことを仕事にすれば、一生働かなくて済む」(孔子)

大江さん、素敵な本をご恵贈いただき、ありがとうございました。

I hope you like it.

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