2021年はまたしても米国株への投資が報われる1年となりました。
そんな好調な米国株市場に、日本の個人投資家も気がついたのか、米国株人気は高まる一方です。
(参考)投信残高、1年で20兆円増 米国株インデックス型急伸(日経会員限定)
4つある米国株投資の方法
では、改めて、実際に米国株に投資する方法について確認してみましょう。
個別株
アップル株とか、アマゾン株とか、株式市場に上場する「個別」の株式を選んで、直接投資する方法がまずあります。
メリットとしては、どんな銘柄を選ぶのか、何銘柄に投資するのか、全て投資家の自由にできること
その結果として、市場平均とは異なる運用パフォーマンスを得られる可能性があります。見事、優れた投資先を選ぶことができれば、短期間に何倍にも上昇する株式を手にすることが可能である一方で、その逆も当然ありえます。
デメリットとしては、ある程度資金がないと複数の銘柄に分散がきいたポートフォリオを構築できないことが挙げられます。
なお、個別株に投資する以上、投資先が粉飾決算をしたり、最悪、破綻してしまう可能性もあります。
海外ETF
そして、海外株、特に米国株投資においてポピュラーな投資方法が、NY市場など海外の市場に上場する投資信託(ETF)に投資する方法です。
このETFは、S&P500やNYダウなどの代表的な指数との連動を目指しているものや、例えば、私が投資しているVIG(バンガード・米国増配株式ETF)のように、単純な指数ではなく個性ある自分の好みに合ったETFにも投資が可能です。
上場していますので、個別株と同様の取引が可能です。
海外ETFについては、当該商品の歴史・品揃え・浸透度が、日本のETF市場に比べて、進んでいたり、深みがあったりするのが違いです。
代表的なETFは規模が大きく規模のメリットを受けることが可能なため、保有にかかるコストが一般の投資信託に比べて低いのも魅力です。
なお、従来、ETFへの投資は積立投資ができないことが難点でしたが、対応する証券会社も出てきました。
(参考例)待望の米株積立スタート&業界初!米国株式も「ポイント投資」可能に(12/26~)(楽天証券HP)
投資信託
国内籍の一般の投資信託を通じた投資です。かつては、海外の株式に投資する投資信託はインデックス投信でも、ファンドマネジャーが銘柄を選ぶアクティブファンドでも、保有にかかるコスト(信託報酬)が、海外ETFに比べて割高な状況にありましたが、現在ではその差はかなり少なくなっています。(ただし、依然として海外ETFが安い)
小さな投資額から投資可能であること、外貨を準備したり為替のことをあまり気にしなくても良かったり、外国税額控除のことを考えなくても良い(ただし、全ての商品が対象ではないので注意)点があること等を考えれば、プレーンな指数に連動する投資スタイルを選択するのではあれば、多くの個人投資家にとっては一番一般的かつ現実的な選択かもしれません。
国内ETFへの投資
そして、最後が今回話題にしたかった4つ目の選択肢です。
実はETFについては、国内株などへの投資に比べると、米国株などその他の資産に投資可能な商品が充実してきたのは、比較的最近です。
昔はそもそも該当商品がないか、あっても選択肢がごく一部に限られていました。しかし、最近では外資系・国内の運用会社双方から、米国株に投資する国内ETFが複数設定され日本株と同じ感覚で、簡単にアクセス可能になっています。
しかも、一定の条件を満たす商品では二重課税を最初から回避してくれるのです。
(参考)投資信託等に係る二重課税調整制度について
さらに、国内ETFには海外ETFにはないメリットもあります。それは、日本の個別株同様に貸株に回せるということ
まだ、海外ETFに比べ表面的な管理フィーは国内ETFの方が高めですが、その一部は貸株を利用すれば回収可能となるのです。
現在、証券各社においては、代表的な一部のETFについては、買付手数料不要(ただし、売却時は手数料がかかる)のサービスも実施しており、ETFの敷居はとても低くなっています。
早速、投資してみた
私の場合、これらの投資手段の中で、現時点では圧倒的に個別株(9割)に投資しており、海外ETFに1割未満、そして、iDeCoで米国株インデックスファンドに少額投資している状況です。
こうした中で、初めて4つ目の選択肢「国内ETF」を通じて、米国株に試しに投資を開始しました。
選んだのは、世界一の規模を誇る運用会社・ブラックロックの「iシェアーズ S&P 500 米国株 ETF」(1655)です。
現時点で
・時価総額:775億円程度
・売買単位:1単位
・最低購入金額:4千円程度
・信託報酬(税込):年0.0825%程度
となっています。
信託報酬だけ見ると、これよりも低コストのものがありますが、規模がまだ非常に小さく流動性に難点があることから、一番大きなこのETFを選択しました。(それでも海外ETFと比べると桁違いに小さい)
なお、本ETFの場合、上述した二重課税の問題はクリア(確定申告で外国税額控除する必要なし)し貸株も可能となっています。
I hope you like it.