「インデックス」という不思議なもの

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アクティブ投資との比較で優位性が話題にのぼるインデックス投資。例えばTOPIX(東証株価指数)などの市場そのものとの連動を目指す投資です。

銘柄を選んで投資するアクティブ投資は、コスト勘案後でインデックス投資よりも運用成績が劣後する事が多いというのは、ほぼ常識となりつつあります。

でも、このインデックス投資。そんなに単純ではないのです。

以下の日経記事や先日シーゲルの投資本を読んで、改めてそんな事を感じました。

(参考)120周年のダウ平均が引きずる「呪縛」(日経有料会員限定)

上記記事は、

5月26日に120周年を迎えた米ダウ工業株30種平均(一般のニュースでは「NYダウ」や「ダウ平均」と表されることが多い)に関して以下のとおり、指数に採用された時がその企業の「旬」であり、その後株価が下げることが多く、ダウという指数の足を引っ張っていることを指摘しています。

  • 千ドルごとに上値を切り上げるまでの営業日数を見ると、リーマン・ショックを経て2013年5月に1万5千ドルに乗せてから1万8千ドルまでの平均は137日だった。しかし、現在は次の大台の背中は見えず、既に360日が経過。営業日ベースで半年ごとに大台超えを演じてきた上昇相場の地合いは明らかに変化している。
  • ここで思い起こすのが指数の中で「最若手」のアップルの存在だ。15年3月19日に採用されてから現在までの下落率は21%と採用銘柄中で最大。重い上値の「戦犯」の1つとなっている。
  • アップル株の低迷には13年ぶりの減収といった業績面の影響がある。ただ、一部には長期的な「S字カーブ」を指摘する声も米市場にはある。これは新たな技術が誕生した際に、ゆっくり普及した後、普及が加速する時期を迎え、やがて成熟期に入るという考え方。縦軸に普及率、横軸に時間をとってグラフにすると「S」の形になる。ダウ銘柄に採用されるのは、S字カーブの傾きがなだらかになった後になりがちという経験則だ
  • アップルにとってはスマートフォン(スマホ)だが、タワー・ブリッジ・アドバイザーズのジェームズ・メイヤー氏は「インテルやマイクロソフトを見るといい」と指摘する。1990年代のパソコン(PC)の普及を追い風に両社は99年11月、晴れてダウ銘柄となった。米市場は折しもネットバブルに沸いており、両銘柄は指数採用の前後に上場来高値を付けた。だが、バブルははじけPCの販売も巡航速度へ移行すると、株価は長い低迷期へ突入した。ほかにも「IT(情報技術)」セクターに分類されるネットワーク通信機器のシスコシステムズも09年に採用されたが、それ以前に付けた上場来高値を上回ることができずにいる。
  • 皮肉にもダウ銘柄で唯一の1期生であるゼネラル・エレクトリック(GE)はアップルの採用後から19%上げた。ITとは縁遠いコカ・コーラや米マクドナルドの株価は最近、過去最高値を更新した。最若手が沈み、古株が浮かぶ――。121年目のダウ平均は何を映し出しているのだろうか

そして、この記事を見た後、最近再読した投資本の名著『株式投資の未来』(ジェレミー・シーゲル)の内容が思い浮かびました。

この本でも、S&P500が時代の変遷に合わせて、銘柄入替を随時行ってきているが、新規組み入れられた銘柄、除外された銘柄、旧インデックスと新インデックスのその後のパフォーマンスを丁寧に拾って確認してみると面白いことが判明したと言っています。

結論部分を同書(P14)から引用します。

1957年に指数が組成されて以来、新たに採用された900超の新規銘柄の運用成績は、平均すると、当初の500銘柄のそれを下回っている。新興の急成長企業を次々に採用し、古いタイプの低成長企業を次々に除外していくことで、実際には、指数に連動して運用する投資家のリターンを押し下げてきたことになる。

長期投資家が、1957年に当時のS&P500を買い、その後新たに採用された新興銘柄をひとつも買わなかったなら、そのリターンは、実際のS&P500に連動して運用した投資家のそれを上回る。

いやぁ、不思議というか難しいというか、奥が深いですね。