日本人の寿命が長くなるにつれて、その寿命に合わせたお金が当然必要となってきます。
一方で、日本経済の低迷や日本企業の労働分配率(儲けのうちどの程度従業員に給料として支払割合)が趨勢的に低下したことにより、日本人の収入も減ってきていることはご存知だと思います。
そのためか、最近はまだ20代の若者までが「老後不安」のことを口にし、実際、コツコツと「老後資金」を積立している人が増えているようです。
さて、この「老後不安」については、実際には「健康面」や「社会とのつながり」などお金以外のこともあるのですが、ここではマネーに絞ってみたいと思います。
「分からない」から不安になる
では、お金の不安は実際のところ、何が原因でしょうか?
もちろん、雇用が安定的でないので、いつ何時職を失うかもしれないという不安を抱えている方はいらっしゃると思いますが、ここではその問題はないこととします。
そうすると問題の多くは、
1)将来いくらお金が必要となるのか?(生活費)
2)どれくらい年金がもらえるのか?(公的年金)
3)自分の資産はどれくらい運用で増えるのか?(資産運用)
といったことが「分からない」から不安となっていることが原因になっているようです。
もちろん、足りない人も大いに努力が必要な人も多いでしょうが、闇雲にお金のことばかり考えたり、しかも、その視点が「今」ではなく、遠い将来にばかりあるのは、私からすると「どうだかなぁ」という感じがするのです。
なぜなら、若い20代・30代にしか使えないお金・時間の使い方ってあると思うからです。
この頃は、金融資産を増やすことも重要ですが、この先の「働く力」を強化する時期。そして何よりも「自分への投資」が実は一番リターンが高い時期だと考えられるからです。
では、上記の「分からない」
実際のところ「分からない」のでしょうか?
まず、公的年金については、一定の前提(何歳までどういう形態で働くか)を置いた上で試算が可能です。ただ、年齢が50歳前後までならないと、現実感が出ないですけど
また、資産運用については、これもどの様な資産を組み合わせて何年運用するか、毎月いくら追加で投資するかが決まれば、大体の金額は出てきます。
意外と難しいのが生活費の見積もりではないでしょうか。
そもそも、「今」毎月・毎年いくらお金を使っているか正確に捉えていない家庭も実は多いように感じます。総額は当然ある程度分かっても、支出傾向などをしっかりと押さえているという意味において
そして、10年後、20年後、といった先の支出がいくらになるのか。これを当たらずとも遠からじで見積もること。
簡単ではないですが、一つ強調しておきたいのは、老後は今に比べて支出はかなり減る・減らせるはずということです。
この「老後のお金」を大きく見積もってしまうと、それまでに蓄えておくべき金額が当然多くなるため、一生懸命にお金を増やすことばかり注力することになってしまいます。
私が危惧するのは、お金の支出の配分・時期を誤ってしまうことで、人生のクオリティを低めてしまうことです。
その様な不幸なことにならないよう、足元の運用に注力する手・頭を休めて、少しロングスパンな事項について、少しでも「分かる」努力をされてはいかがでしょうか。
ちなみに、私の20代・30代はボーナスは極力投資に回していましたが、毎月の給料では積立投資とかやってなかったです。
I hope you like it.